ただ、ひとつ危惧されていることがある。東京ドームといえば、旧ジャニーズの「聖地」として知られ、故ジャニー喜多川氏のお別れ会の会場にもなった。「旧ジャニーズの聖地」で一発目の大規模コンサートを開催するという戦略は、滝沢氏の旧ジャニーズおよびジャニー氏への強い思いが感じられるとの指摘がある。

 また、2021年に旧ジャニーズ事務所を退所した近藤真彦が今月12日にディナーショーを開催した際、TOBEからお祝いの花が届いていたことも話題になった。報道陣からTOBEとの関係を尋ねられると、近藤は「滝沢とは今も話すよ。内容はここでは答えられないよ」と意味深に返していた。近藤は不倫問題が原因で退所することになったが、もともとは「ジャニーズの長男」という絶対的な立場にあり、旧事務所の実権を握っていた故メリー喜多川氏から寵愛を受けていたことで知られる。その近藤との親交を継続し、会社として花まで贈ったとなると、TOBEのスタンスをいぶかしがる声が上がりそうだ。

 旧ジャニーズからマネジメント業務などを引き継ぐ新会社「STARTO ENTERTAINMENT」は、福田淳社長の下で新たな組織に生まれ変わったことを強調している。一方、TOBEは逆に「旧ジャニーズの魂」を受け継いでいると示唆するかのような姿勢がうかがえるとの見方がある。

 どちらがファンに支持されるのか。いずれにしても、旧ジャニーズから枝分かれしたSTARTO ENTERTAINMENTとTOBEが競合関係になるのは避けられなさそうだ。