●例1:つみたて投資枠で月5万円、成長投資枠で600万円投資

つみたて投資枠で毎月5万円積み立てると年額で60万円、20年間で1,200万円の資産が積みあがります。一方、成長投資枠には年200万円の一括投資を3年間連続で行い、合計600万円の投資をするとします。

これを全て、年利4%で運用できたとすると、元本と運用収益の合計額はつみたて投資枠で約1,800万円、成長投資枠で約1,300万円となり、合算するとおよそ3,100万円となります。

●例2:つみたて投資枠で月75,000円、成長投資枠は使わない

一括投資に二の足を踏む人も多いと思います。そんな人は、つみたて投資枠のみを活用し、毎月7万5,000円積み立てると年間90万円、20年間で1,800万円分の資産が積みあがります。

年利4%で運用できたとすると合算で約2,750万円となり、成長投資枠に一時金を投資しなくても、およそ1,000万円増える計算になります。

■キャッチアップ投資の注意点

非課税枠が大幅に増えたことで、50代からでも新NISAで十分資産形成できることはわかりました。そうなると、資産形成のスピードを速めるため投資額を増やして期間を短縮させたいと考えるかもしれません。

しかし、万が一50代で投資に失敗すると取り戻すのが困難になります。投資は余裕資金で、5年〜10年は使う予定のないお金で行うことが鉄則です。

■新NISAで自分に合った資産形成を!

新NISAでは、自身の年齢や投資の考え方、拠出できる金額などによって、さまざまな活用方法がありますが、資産を増やす目的や期間なども踏まえて、自身に合った活用法を考えてみましょう。

文・馬場正裕(ファイナンシャル・プランナー) 高校教師・学習塾・予備校の講師を経て、現在は金融・保険などのマネー系Webライターとして活動中。主に、金融メディア、SDGsメディア、教育メディアに出稿している。