シャーロックのポーズ!
マーベル映画『ドクター・ストレンジ』やドラマ「シャーロック」などの主演で知られるベネディクト・カンバーバッチが、世界最大級のポップ・カルチャーイベント「東京コミックコンベンション 2023」(以下、「東京コミコン 2023」)に登場した。
BGM($PHIN35の「Keep on doing」)に合わせてノリノリに踊りながら登壇したカンバーバッチは、「ここに来られて本当に光栄だ」「急スピードで移りゆく世界だけど、日本人は平和的でかつ情熱的だ。君たちの温かい対応には感謝しきれないよ」と感謝を述べ、通訳の間にも会場の端から端まで手を振り続ける“神対応”を見せた。
俳優として成功するには・・・?
観客からの質問では、彼に憧れる俳優志望の観客から「俳優として心がけていること」を尋ねられたカンバーバッチ。
質問に対して彼はまず「ほかの誰かになろうとしないこと」と一言。
「いい質問だね。当初僕は生活するためにこの仕事を始めたけど、とはいえ自分が情熱を持って好きなことをできることが幸せだと感じたんだ。僕は機会や運にも恵まれたと思っているけど、運より先については一生懸命努力したことによるものだと思っている」と格言のような言葉がスラスラと飛び出す。
「失敗を恐れないこと、ただ学べ、ただ自分自身であれ。そしてトライを続けるんだ」という力強いメッセージに、会場からは大喝采が起きた。
愉快なやり取りも多数
「名探偵と魔術師どちらになりたいか」という質問については、「どちらも大好きでどちらかが良いという風には選べない」と、ドクター・ストレンジもシャーロック・ホームズも、自分のキャラクターに優劣はつけない姿勢を示したカンバーバッチ。
続いての観客からの質問は『ドクター・ストレンジ/マルチバース・オブ・マッドネス』でカンバーバッチの目が1つ増えたことに関連して、「もっと増えた方がいいと思う身体の部分はどこか」というトリッキーなもの。
これに対して彼は「ここにはお子さんもいるよね…?」と下ネタを想起させるようなイタズラっ子な笑顔を見せ、MCに「やめてください(笑)」とヒヤヒヤされつつ、「身体に余計なものが増えるのは良いことではないかもしれないけど、脳がもう一つ増えたらこの時差ボケを解消できるかもね」とジョークを飛ばしてまた会場を笑わせた。
文化に対する思慮深い考えも披露
浴衣が似合っていたことを覚えているファンが、『ラスト・サムライ』のように浴衣・着物で演技してくれないかと期待すると、「文化的な視点からは、自分のものではない文化を取り入れることはデリケートな問題だと思うから簡単には答えられないけど」と自国の文化ではないことは簡単には扱わない思慮深さを見せつつ、「トム・クルーズも(『ラスト・サムライ』で)やっていたし、着物は着心地も良くて美しい。誰かがそういう脚本を渡してきたら、読んでみてもいいかなとは思うよ」と可能性を否定はしなかった。
ファン悶絶の大サービス連発
質問以外にもファンからは多数のリクエストが寄せられた。
まずは「シャーロック」の“考えるポーズ”。こちらをカメラに向かって披露すると、会場からは大きな拍手と歓声が上がる。
さらにもう一つ、「カメラに向かってウィンク」をリクエストされたカンバーバッチは、カメラを探してチャーミングにウィンク。観客からの歓声と興奮混じりの声はしばらく鳴り止まなかった。
映画だけでなく彼の舞台のファンでもあるという観客に、「まだ言えないけど舞台の予定はある」と期待も持たせたカンバーバッチは、「大きな『ありがとうございます』を贈るよ。感謝してもしきれないね。優しくて、時に忍耐強い日本人・日本という国・文化が大好きだ。こういったメッセージを直接届けられることを本当に嬉しく思う。心からありがとう」と日本への大きな愛と感謝を伝え、最後まで紳士的で知的で、そしてチャーミングなカンバーバッチだった。
「東京コミコン 2023」は、12月10日(日)まで開催される。