ちくご川コミュニティ財団が、学校に行けない・行かない子ども(不登校の子ども)の学びを応援する取り組み「子どもの多様な学びの場を保障するための基金」プロジェクトをスタートする。

九州初の取り組み

このプロジェクトは、フリースクール、オルタナティブスクール、ホームエデュケーションなど、公的な学校以外を学びの場として選択する子どもたちを対象にした給付型の奨学金事業。民間財団が、フリースクール等利用者への奨学金事業とその基金を立ち上げるのは九州初となる。

そこで地域や市民みんなで支えるプロジェクトとして、まずは基金の立ち上げを目指すクラウドファンディングを実施する。基金の愛称やロゴマーク募集も順次始めていく予定だ。

このプロジェクトに加わる西日本新聞社は九州トップの発行部数を誇るブロック紙で、教育や多様な学びに関する報道を続けている。基金の立ち上げや奨学金事業に関する情報も地域に届けるために報道していく。

300万円を原資に基金を立ち上げ


今回のクラウドファンディングの実施期間は、12月1日(金)〜2024年1月31日(水)。寄付300万円を原資に基金を立ち上げる。翌年度以降も寄付募集で年間200万円を調達、毎年5名程度に奨学金を給付することを目指す。

このクラウドファンディングは、寄付決済サービスのコングラントが提供する、寄付金が100%届くクラウドファンディング「GIVING100 by Yogibo(ギビングハンドレッド)」が適用されている。一般的なクラウドファンディングサイトでは9〜20%の手数料が発生するものだが、GIVING100 by Yogiboでは目標金額を達成することで決済手数料が免除されるのも特徴。寄付全額を、この基金に活用することができる。

「多様な学び基金プロジェクト」の背景


少子化が進む日本で、学校に行けない・行かない子ども(不登校の子ども)が増えている。文部科学省によると2022年度、全国の小中学校で30日以上欠席した不登校の児童・生徒の数は29万9048人。2002年度からの20年間で約16万8千人増加している。この20年間で児童・生徒の数は約168万人減少し過去最少にも関わらず、不登校の子どもの数は過去最多となっている。

不登校の子どもたちにとって、学びの場の選択肢にフリースクールやオルタナティブスクール、ホームエデュケーションなどがありますが、利用料などの経済的負担が困難となり、学びの場や社会との繋がりが絶たれ、孤立する子どもとその家族が少なくないのも現状。基金を設立することで、”子どもが学びたい時に、学びたい場所で学べる地域社会”の実現を目指す。