「今回は、一発目のマジシャンのネタ、みんな面白いなーってなったのよ。案外、魚のネタがちょっと落ちたのよ。ここだけの話、最下位やったのよ。ギリギリで入ったの。1点差くらい」
準決勝最下位から、決勝での圧倒的な勝利。確かに、準決勝の配信を見終えたときの個人的な予想でもサルゴリラは当落線上以下だったし、ウケも抜群によかったわけではなかった。
この準決勝から決勝へのサルゴリラの飛躍を、明確に分析できる者はいないだろう。結果論としてはどうとでも言えるが、台本はほとんど同じだ。出順、スタジオの空気感、流れ、そしてサルゴリラ自身のパフォーマンス、そのすべてが噛み合い、2人はコント日本一になった。
「残念でしたねえ、圧勝でしたよ!」
児玉が『アメトーーク!』スタッフに、誇らしげに語り掛ける。痛快な逆転劇に、万雷の拍手が降り注いだ。
(文=新越谷ノリヲ)