不妊の可能性に悩み、検査や治療に取り組んでいるカップルは5組に1組いるといわれています。中でも難しいのが仕事と妊活の両立。株式会社ファミワンの協力のもと、妊活中に陥りがちな悩みについて考えていきます。
女性の活躍が進んでいる今ですが、まだまだ数多くの社会課題があります。その背景にあるのがライフステージの変化。柔軟な働き方が選べず「仕事と妊活の両立の難しさ」を痛感している方も多くいます。
不妊の可能性に悩み、検査や治療に取り組んでいるカップルは5組に1組いる(国立社会保障・人口問題研究所「第 15 回出生動向基本調査」(2015年6月)より)というデータもあるほどなのに、働きながらの妊活や不妊治療が難しく、会社を辞めるしかない……と追い詰められてしまう女性もいるのが実情なのです。
子どもが欲しいのに、なかなかできない……。
そう悩み始めたら妊活のはじめどきかも。妊活中はお金がかかることや、会社勤めの場合は両立が難しいことなど、悩みもたくさんあります。そんなリアルな妊活実情を知るため、Cinqでは株式会社ファミワン協力の元「仕事と妊活」についての連載をスタート!
日々妊活についての相談が寄せられるファミワンで、相談されることの多い悩みとその回答について教えて頂きます。前回は仕事についての悩みでしたが、今回はパートナーとのコミュニケーションと、体調に関する悩みについてです。
妊娠できず病院に行きたいけど、パートナーは先延ばしをしてくる。どうすれば?
自宅でタイミングを取っていますが、なかなか妊娠しません。私は病院に行きたいですが、主人に「あと一年待ってそれでもだめだったら受診しよう」と言われました。まだまだ本気で妊活する気がないみたいです。
理由は「お金がない」「そのうち妊娠するだろう」とのことだったのですが、先延ばしにしたいだけのように思えます。どうしたら良いでしょうか。
妊活の取り組み方について、ご夫婦で意見が違うためお悩みです。ご夫婦で話し合うためのポイント3つをご紹介します。
どうして子どもが欲しいのか気持ちを整理する
妊活を始めるときに「そろそろ子どもが欲しいよね。妊活はじめようか」「そうだね」というやり取りをされる方は多いと思います。でも実は、子どもが欲しい思いの背景には人それぞれ違いがあります。
まずは、このように書き出してお互いに見せ合ってみましょう。妊活に対する気持ちの違いや、同じように考えているところが見えてくるのではないでしょうか。
- 二人と血の繋がっている子どもを産んで家族になりたい
- 結婚して出産することが子どもの頃から夢だった
- パートナーに子どもを抱かせてあげたい
- 子どもができたらこんな家族になりたい
妊活の情報をリサーチして共有する
妊活の知識量は人によって差があります。あなたは知っていて当然だと思うようなことでも、パートナーさんは知らないかもしれません。
例えば、年齢によって受診するタイミングや推奨される妊活方法は違いますね。人間は自分が持っている知識をもとに物事を判断するので、知識の差があれば当然、判断の仕方も変わってきます。特に不妊治療の知識は個人差が大きく、すれ違いも起きやすくなります。
妊活の知識は夫婦で共有し、いつでも見返して確認できるようにまとめておきましょう。
調べておいてほしいのは次のようなことです。
- 年齢別の妊娠率、流産率
- 受診のタイミング
- タイミング法、人工授精など妊活の種類と説明
- 受診した場合の検査の種類や費用
先にお送りした不妊症看護認定看護師からのアドバイスを、パートナーさんと一緒に読むというのも一つの方法です。
このとき、知識を「教える人」と「教わる人」という関係になると、その後の妊活でもこの関係が続きます。一緒に調べて教え合う協力関係を作っておきましょう。
妊活の方法を具体的に相談する
お互いの気持ちを確認し情報共有ができたら、妊活の方法を夫婦で具体的に相談しましょう。妊活にもいろいろな方法があり、夫婦によってかけられる費用や時間も違います。自分たちの妊活スタイルを話し合ってみてください。
例えばこのようなことを話し合えるといいですね。
- タイミングを合わせるために夫婦で工夫できることは何か
- 不妊治療を受けるならどのステップまで考えるか
- 治療せず自然妊娠にこだわるか
- 排卵日以外にもセックスがしたいか
- 治療費を確保するなら生活はどのように変化するか
夫婦も別々の人間ですから、意見が違っても当然です。意見が違う背景には、「どうして子どもが欲しいのか」という気持ちや、妊活の知識の差があります。お互いを理解してから、お二人にとって現実的で最適な妊活ができますように。
妊活疲れをしている。ストレスを溜めずに過ごす方法は?
赤ちゃんが欲しくてがんばっていますが、色んなことに疲れてしまいました。仕事も家事も通院もあって、がんばるほどストレスが溜まります。ストレスを溜めずに過ごす方法はありませんか?
人間の感情・思考・行動は繋がっていると考えられています。行動を少し変えることで、感情や思考を改善する方法をご紹介します。
最近のあなたの一日を振り返ってみてください。ほんの少しでも、気持ちが楽だった時間・妊活のことを考えなかった時間・すっきりした気分でいられた時間はありますか?もしそんな時間が少しでもあったなら、その時間はあなたにとって大切な時間です。
あなたはその時、何をしていたでしょうか。好きなTV番組を見ていましたか? お料理をしていましたか? お仕事に集中していましたか? 大声を出す、たくさん泣く、クッションを噛む、嫌なことを紙に書き出して破く、など、一見すると良くなさそうな行動でも良いです。 “何もしない” というのも一つの行動です。
ストレスを感じた時にあなたが取っていた行動は、あなたが自然と身に着けたストレス対処法です。専門用語では、「ストレス・コーピング」と言います。ストレスを感じた時、コーピングを意図的にやってみることで、「考えたくないけど考えてしまう悪循環」から少し抜け出せることがあります。できれば、その行動をできるだけたくさん書き出してみてください。コーピングのリストを作ってみましょう。これまで妊活をがんばってきたあなたは、実はコーピングをたくさん持っているかもしれません。そのリストに書かれているコーピングは、あなたが持っている“回復するための力”です。気持ちが滅入った時、コーピング行動のリストを見て、その時できそうなことをやってみてくださいね。