Profile
Profile/1987年生まれ。2001年に『リリイ・シュシュのすべて』で主演デビューを果たす。2004年には、第27回日本アカデミー賞新人俳優賞を受賞。その後『ウォーターボーイズ2』、『ROOKIES』をはじめ、近年では「鎌倉殿の13人」、「正直不動産」、「こっち向いてよ向井くん」など、出演作多数。今秋より台湾制作ドラマ「商魂」が配信予定。
好きなものは好きと胸を張り、子供相手にも素直に負けを認める。甘利田のような大人になりたい
2019年と、2021年に放送されたドラマシリーズに加え、劇場版作品が公開された人気シリーズ『おいしい給食』が帰ってくる。市原さん演じる甘利田先生と給食マニアの生徒による“どちらが給食をおいしく食べるか”という戦いが描かれる本作に登場する、懐かしの給食はもちろん、市原さんのコミカルかつ、振り切った演技が際立つ甘利田先生の復活を待っていた人も多いのでは?
「この作品は、改めてモノづくりの根源に沿って、“すべての方に楽しんでいただけるエンターテインメント”を作ろうという思いから出来上がった作品です。原作のない完全オリジナル作品なので、ゼロからすべてを作り上げる苦しみもありましたが、こんなにも長く愛される作品になってくれたことが本当に嬉しいです」
シーズンでも強烈な個性をさらにパワーアップさせ“うまそげ”対決に挑む甘利田先生。演じる上での気持ちの変化を伺うと。
「まったく変わってないですね。今でも振り切れた演技は恥ずかしいです(笑)。ですが、滑稽な姿だと思われ笑われたとしても、甘利田先生が好きなものを好きだと胸を張って人生を謳歌しようとする姿を観ていただきたい。そこから人生って素晴らしいな、楽しいなと思っていただけるような作品にしたいという思いは、作目から一貫して変わっていません。ただ、どんどんパワーアップしてしまいまして...。今回は撮影中にキャパオーバーを起こして意識が飛んでしまいました(笑)。」
「大人がこれだけ我を忘れて本気になるから楽しいんじゃないですか」と市原さん。
「それくらい生徒と死にもの狂いで対決しているんですよね。そして甘利田先生が素晴らしいのは、生徒相手の勝負に真剣に挑み、さらに負けたときは相手が子供でもちゃんとリスペクトし、素直に負けを認めるところ。こんな素晴らしい人間は、なかなかいないと思います。僕も甘利田先生のような大人になりたいです」
今回の舞台となった学校の校訓は“無我夢中”。そこで今、市原さんが無我夢中になっていることを伺うと「バイクです」と即答が。
「カワサキのZ1という年以上前に作られた古いバイクに乗っているんですが、その愛車に夢中です。先日は、弾丸で北海道へ行きました。50時間くらい走り続けて青森まで行き、フェリーに乗って北海道へ。日本最北端の宗谷岬まで走ったのですが、その道中で鹿が並走ししたりしていて、感動的でした」
夢は愛車でアメリカ横断とのこと。
「今は、バイクのヘッドを自分で作りたくて工場を視察したりしています。以前、Z1を走らせてカワサキの本社がある神戸まで行ったこともあるんです。自分の人生を豊かにしてくれたこの愛車を生み出してくれたお礼を直接エンジニアさんに伝えたくて」
その熱量に驚かされると同時に、そこまで夢中になるものがある市原さんを羨ましく思う人も多いはず。最後に夢中になるものが見つからない人へのアドバイスをお願いすると。
「人にとっての幸せは千差万別。人の幸せを自分の幸せと比べる必要はまったくないと思います。いつかふと湧いてくるかもしれないし、好きなことはすぐそばにあるのに気付いてないだけかもしれません。だから何か面白そうだな、好きだなと思ったら試しにやってみるのはどうでしょう?中途半端でも構わないから、ちょっとでもやってみたいと思ったら行動に移す。そのちょっとした勇気が人生を謳歌する起点かもしれません」