会社員にとって、毎年の恒例行事である年末調整。いつもはまじめに記入している人でも、「このくらいならバレないかな?」と魔が差すことがあるかもしれません。
年末調整で事実に反する内容を記入した場合、会社にバレる可能性はあるのでしょうか。やってはいけないNG行為5つとともに解説します。
■嘘の申告は会社にバレる
もし従業員が申告書に事実と異なる内容を記載したら、会社にバレるだけでなく、追加で税金を納めることにもなりかねません。
そもそも年末調整は、毎月の給料から仮払いしていた所得税の概算金額を正しい金額に清算する手続きです。
会社は従業員が提出した申告書をもとにさまざまな控除をおこない、正確な税額を計算して税務署や従業員が属する自治体に提出します。
税務署や自治体に申告内容が報告された後、記載内容に不審な点があれば簡単に嘘がバレてしまうでしょう。
とくに、最近の申告書にはマイナンバーを記載する欄があるので、データを照合されれば簡単に調べられます。
■年末調整でやってはいけないNG行為3選
年末調整でやってはいけないNG行為を3つ紹介します。
●NG行為1:子どものアルバイト収入を偽って記入
子どものアルバイト収入が年間103万円を超えると、扶養から外れて税金が高くなってしまいます。
一見、子どもの収入を会社が把握しているとは思えないので、少なめに記入してもバレそうにない気がするのですが……
実際は、アルバイト先が従業員の属する自治体に給与支払報告書を提出するため、税務調査が入ったら簡単にバレてしまいます。
●NG行為2:生計を別にしている別居の親を扶養家族として記入
扶養家族が増えると扶養控除を受けられるため、税金を安く抑えることができます。
では、生計を別にしている別居の親を扶養家族として申告したらどうなるのでしょうか。
別居している親を扶養家族にするには、「生計を一にしている」ことが条件になります。
親を何ら援助することなく扶養家族として申告した場合、会社から仕送り時の振込票を請求されたら即刻嘘がバレてしまうでしょう。
●NG行為3:配偶者名義のiDeCoを申告する
生命保険や地震保険の場合は、名義が配偶者でも自分で保険料を支払っていれば申告が可能です。
しかし、iDeCoの場合は本人名義の掛金しか控除申請できません。
もし配偶者名義のiDeCoを申請したら、勤め先の給与担当者から注意を受けることになるでしょう。
■嘘はバレるので正しい申告を
今回紹介した通り、年末調整で事実に反した記入をすると簡単に会社にバレるので、正しく申告しましょう。
年末調整は、節税できる機会が少ない会社員にとっては節税のチャンスです。控除対象になる項目が申請書に記載されているので、漏れがないようにチェックして税金対策をしましょう。
文・たなべようこ(金融ライター/ファイナンシャル・プランナー) 証券会社に10年勤務。主に個人向けの資産運用アドバイスを行う。現在は金融関連資格と自身の投資経験を活かして、金融ライターとして活動中。