リトケイは、日本財団と連携し、離島の子育て教育環境と島外の親子がつながる会員サイト「シマ育コミュニティ」を新設した。

「シマ育」について


奄美大島では集落規模の顔の見えるコミュニティを「シマ」と呼ぶ。「シマ育コミュニティ」では、「互いに支え合える地域共生コミュニティ」を「シマ」、「シマの中で多様な人と関わり自然・文化にふれながら人間力を育む」ことを「シマ育」と定義している。

宝島(鹿児島県十島村)の総人口は約120人、エメラルドグリーンに輝く海でプールの授業が行われる
提供:Kazutake Honmyo

国内約400島余りある離島地域の多くには、豊かな自然・地域社会・文化があり、「子どもは地域のみんなで育てる」子育ての価値観も残るため、合計特殊出生率の高い地域も数多く存在する。

しかし、リトケイの独自調査によると、有人離島の総人口61.8万人のうち15歳未満の子どもは約7.8万人。2005年から2015年で20%が減少し、2045年には人口が半減すると予測されているという。

日本海に浮かぶ新潟・佐渡島「松ヶ崎留学」を受け入れる松ヶ崎小中学校
提供:子どもの元気は地域の元気プロジェクト(松ヶ崎留学/佐渡市)

この危機的状況から、島外の子どもを受け入れる離島留学を行う島も増えている。

「人口減」に悩む島と「孤育て」に悩む家族を繋ぐ

島外からの留学生を受け入れるトカラ列島・宝島(鹿児島県十島村)の子どもたち
提供:Kazutake Honmyo

離島留学制度はもちろん、移住定住や短期ステイなど、日本各地のシマ育環境に出会う方法は多数ある。

しかしながら「情報が探しづらい」「どうやってつながればいいか分からない」という保護者の声がリトケイに多く集まっていた。

一方、受け入れ側となる島の団体や学校には、「たくさんの子どもたちに来てほしい」「島に溶け込める家族に来てもらいたい」という願いと、「子どもたちに関する情報を不特定多数に発信するのは不安」「受け入れ体制が十分でない」という不安が存在している。

「人口減」に悩む島と、「孤育て」に悩む日本の家族。そんな両者が出会い、シマ育環境を魅力化する智慧やアイデアが共有される場として、「シマ育コミュニティ」が誕生した。

「シマ育コミュニティ」の取り組み


「シマ育コミュニティ」は、子育て環境を求めて移住先を探している親子、離島留学先を探している家族、離島留学の体験談を知りたい家族、島外の子どもや家族を迎え入れたい島の人、地域の子育て環境を魅力化したい島の人、島で保育士や先生として働きたい専門職の人などを対象とした会員サイトだ。

こういった人々に、先進的なシマ育環境の紹介、離島留学を行った先輩家族の体験談、教育分野などの専門家のインタビュー、そのほか、シマ育環境に関わる人へのインタビュー、不安や悩みを越えるため語り合う勉強会の案内やレポートを届けていく。