さまざまなハラスメントが社会問題として話題になっている今、自分が被害にあった時、だれに相談すればいいのか、どこからがハラスメントと呼ばれるのかがわからず頭を悩ませている方も多いようです。そんなお悩みに弁護士、齋藤健博さんがお答え。テレワークを認めてもらえない女性からのお悩みです。
Q. テレワークの申請ができるのに、色んな理由を付けられ却下されます……
緊急事態宣言中は全社でテレワークを行っていたのですが、解除後は出社するように言われて現在は出社をしております。
先日同じビルでコロナウイルスに感染した人がいたのをきっかけに、テレワークの申請が可能になりました。内容としてはテレワークを可能にするには、上長の承認と役員との面談が必要で、最終的に申請が通るには1ヶ月ほどかかるというものです。
私は、感染リスクを下げたいので、テレワークの申請をして役員との面談まで進めています。
そんなときに「有給を使ってオフィスから離れている人もいるし、次のスケジュールがまだ確定していないからだめ」と却下されました。
何のために申請を受付けているのか不明です。
仕事内容も家で行えるものですし、他の支店はテレワークを行っているので冗長と役員の判断にモヤモヤしています。このような場合、どうすれば良いのでしょうか?(ゆかり/28歳/デザイナー)
A. 業務には悪影響が生じないことを書面で記載し、もう一度申請を!
ゆかりさんはデザイナーをされているので、本来は個人の技術や能力に応じて仕事をすべき立場にあります。
もちろん、緊急事態宣言解除後は出社していたところ、同じビルでコロナウイルスに感染した人がいたことをきっかけとしてテレワークの申請が可能なったとしても、上長の承認と役員との面談が必要であれば、当然時間はかかっていきます。
その間はテレワークでなく仕事をすることになる以上は、その1か月ほどは常に不安との戦いと言えるのではないでしょうか。
ゆかりさんのように、「有給を使ってオフィスから離れている人もいるし、次のスケジュールがまだ確定していないからだめ」と一蹴されてしまうと、確かに何のために一か月ほど待ったのか、疑問に感じて当然だと思います。
他の支店での運用を根拠や論拠として、もう一度、テレワーク希望の旨を書面で陳情してみる方法はいかがでしょうか? その際、テレワークの方法にしたとしても、なんら業務には悪影響が生じないことをしっかり記載しておくのが不可欠です。