資産家の愛人の息子として生まれたかつみ◆は20代から財テクにのめり込み、バブル崩壊時には最大1億7,000万円の借金を背負っている。その後も、オオクワガタの繁殖に乗り出せば妻・◆さゆりがバルサンを焚いて全滅。ラーメン店を開店するも、内装デザインを◆さゆりに任せたてピンクだらけの奇抜な店になったことや、ラーメン店なのにメロンパンを販売するなどし、わずか半年で閉店。かつみ◆の借金は現在も残っており、26年後の86歳まで返済が続くという。

 そして、芸人の副業にまつわる伝説的エピソードとして語り継がれているのが、00年に亡くなった元ザ・ドリフターズ荒井注の「カラオケボックス騒動」だ。

 74年にドリフを脱退した荒井は、90年代に静岡・伊東市にカラオケボックスの開店を計画。しかし、業者の設計ミスで入り口のドアが小さく、肝心のカラオケ機器が室内に搬入できないというトラブルが発生した。荒井のカラオケボックスは結局、開店を断念。物件は現在も放置され、有名な廃墟として見物人を集めているという。

 そのネームバリューや、さまざまな業界人と接点が多いことなど、何かと副業には有利な条件がそろう芸人たち。だが、専門的な知識不足や安易な投資から失敗することも少なくないようだ。

 今回、『DX』に出演した芸人たちにも、地道な活動を心がけてほしいものだ。特に、たきうえ、大丈夫なのか。

(文=新越谷ノリヲ)