ジャニーズ性加害問題が大きくなったことで「滝沢くんに舐められたことがあります」という記述が注目され、ジャニー氏の側近的立場だったこともある滝沢氏にも「疑惑」が浮上したというわけだ。「女性セブン」の記事では、平本氏が「ぼくが直接被害を受けたわけではないので真偽はわかりませんが」と前置きしたうえで、「そういうメッセージが送られてきたのは事実です。滝沢はキスが好きなんですよ。強制的にキスをさせるって」などと証言している。

 滝沢氏の「キス強制」については、それに近い話がメディアでたびたび披露されていた。Kis-My-Ft2の元メンバーで滝沢氏の新事務所「TOBE」に移籍した北山宏光は、ジャニーズJr.のリーダー的存在だったころの滝沢氏による「キスの儀式」をテレビ番組で告白している。ジャニーズJr.内で後輩同士の揉め事が起きると、滝沢氏は食事の場などで当事者を本音で語り合わせたうえで、最後に「キスしちゃいなよ!」と仲直りのキスを勧めるのだという。北山は「後輩のどんな溝も埋める滝沢キッス」と称賛し、その当時はまったく性加害的な印象はなかったのだが、もし嫌がる当事者に自分の強い立場を利用して強制していたのであれば、ハラスメント行為になるおそれがある。

 ただ平本氏自身が語っているように、あくまで「そういう内容のメッセージが送られてきた」という話であり、疑惑の域を出るものではない。記事によると、平本氏の告発について、滝沢氏側は弁護士を通じて、「事実無根かつ当社及び滝沢の名誉・信用を毀損する内容であることは明らかです」と回答したという。

 しかし、それを抜きにしても、滝沢氏に対しては「ジャニー氏の近くにずっといたのだから、ジャニーズ時代の滝沢氏は未成年タレントへの性加害の事実を知っていたのではないか」「滝沢氏にも説明する社会的責任があるのでは」という意見が以前からある。すでにジャニーズ事務所を退社していることもあってか、ジャニー氏の問題について滝沢氏は一切言及していない。

 TOBEが今春に公開したオーディション動画では、小中学生とみられる子どもたちが多数参加していた。そうした未来のスターを夢見る子どもたちを預かる立場として、一連の問題や疑惑にしっかりとコメントを出したほうがいいのではないかとも思えるが……。