また、玉木代表は「一人ひとりのタレントさんって実は弱いんですよね。どうしても、監督さんやプロデューサー、事務所の社長などとの関係で、気に入られないと仕事が取れないという、相対的に不利な、権力関係が平等じゃない中で、さまざまな契約や取り決めが行なわれていくので、そこは広い意味でのコンプライアンス意識を高めていくべき」と話し、事務所とタレントの不平等な関係についても人権の観点から問題視。

 続けて、「たとえば、能年玲奈さんがなんで能年玲奈という名前を使えなくなって、のんちゃんになって、一時テレビに出られなかったのかって、私みたいな素人からすると謎ですよね。なんであんなことが起こるのかなって」と発言。のんを具体例として挙げたうえで、「いろいろ業界の大人の社会の話があるのでしょうけど、そういうことも含めて透明性をこれから芸能界やテレビ業界も上げていかないと、国際的にもなかなか通用しなくなってきている時代なのかなと思います」と述べた。

 のんといえば、2013年に放送されたNHK朝の連続テレビ小説『あまちゃん』のヒロイン役(当時は能年玲奈名義)で大ブレイクしたが、2015年に当時所属していたバーニング系列の大手事務所「レプロエンタテインメント」との間で独立トラブルが発生し、一時休業状態になった。2016年に正式独立して活動を再開させたが、本名である「能年玲奈」からの改名を余儀なくされ、「のん」として再出発。2020年頃からNHKの番組への出演は少しずつ始まっているが、この騒動をきっかけに地上波の民放番組からは姿を消したと言っていい状況となった。広告需要は高く複数の企業とCM契約しているため、現在でも「テレビCMでは見る」のだが、なぜかテレビ界からほぼ締め出されたままという不可解な状態が続いており、俳優としては独立系を中心に映画には出続けているものの、民放地上波ドラマへの出演は2014年を最後に途絶えたままだ。

 この状況については、2ちゃんねる開設者の「ひろゆき」こと西村博之氏も疑問視。8日に放送されたABEMAのニュース番組『ABEMA Prime』で、ジャニーズ問題について「結局いま怒ってる人たちって、ジャニー(喜多川)さんが言い返してこないから、言い放題って状態じゃないですか。じゃあ、能年玲奈さんって本名なのに能年玲奈という名前でいまだに活動できないとか、他の事務所でもおかしい状況が起きているにもかかわらず、そこは放っておいて、とりあえず(叩き返してこない)ジャニーズだけ叩いている」と、のんを引き合いにメディア報道を分析した。