◆配役にもドラマがある『君たちはどう生きるか』
劇場でその声を耳にして初めて納得した。最初、びっくりするくらい主人公・牧眞人(山時聡真)は声を発しない。でもだからこそ、彼が声を発する瞬間には耳を済ませてしまう。
眞人の無口さには、逆に宮崎駿の雄弁さを感じる。これほどの大役を任せたキャスティングの決め手は、名前からして、ほんとうに(真に)聡明な印象与える存在感にあるのではないだろうか。
聡明な俳優である彼なら、眞人役を演じられるはず。宮崎監督はそう直感した。同作についてこれ以上語ることを差し控えるが、それぐらい配役にもドラマがあるということは特筆しておきたい。
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