高齢者の貧困問題が心配される昨今、「老後破産」という言葉が話題になっています。
「自分は大丈夫」と思っていても、病気や介護、事故などでいつ窮地に追い込まれるかわかりません。
穏やかな老後生活を送るために、今やっておくべき対策を紹介します。
対策1:老後の生活をシミュレーションする
まずは、自分の老後をシミュレーションしましょう。いくらくらい足りないかが具体的にわかると、貯蓄するモチベーションが高まるからです。
ネットにあるシミュレーションを使えば、質問に答えていくだけで自分の老後の暮らし向きが予想できます。結果が出たら「月々いくら貯めればいいのか」を計算してみましょう。
ただし、住宅ローンがある場合は繰り上げ返済などでローン残高を減らすことを優先してください。
対策2:非課税枠を使って資産を増やす
月々の貯蓄額が決まったら、非課税制度である「つみたてNISA」や「iDeCo」を使って、生活に無理のない範囲で積立投資を始めましょう。
おすすめはインデックス型の投資信託です。定期的に一定金額を積み立てて長期間運用すると、複利効果とリスク軽減効果が期待できるからです。
少額でもいいので少しでも早く始めると、老後への安心感がグンと高まります。
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対策3:保険を見直して無駄な保険をやめる
保険に入っている人は本当に必要な保険かどうか、今一度見直してみましょう。日本は公的な健康保険制度が充実しているため、医療費で生活が破綻する可能性は低いからです。
ただし、子育て中の人の場合は、子どもが独立するまで「掛け捨ての死亡保険」や「所得補償保険」、「就業不能保険」を必要に応じて加入しておくと安心です。
無駄な保険を整理して浮いたお金は、つみたてNISAやiDeCoで資産運用しましょう。
対策4:固定費を削減する
「つみたてNISAやiDeCoを始めたいけれど余裕資金がない」という人も多いでしょう。そんなときはまず、固定費の削減から取り組んでみてください。
具体例は以下のとおりです。
・スマホの通信費を見直す
・有料のアプリで使っていないものを解約する
・電力会社を見直す
・自家用車を手放してカーシェアを利用する
これらを参考にして、無理のないところから始めてみましょう。
対策5:健康的な生活をする
老後の準備で大切なのはお金だけではありません。健康もお金に負けないくらい大切な財産です。病気がちだと医療費がかさむだけでなく、定年後に働き続けるのが難しくなり収入が減ってしまうからです。
健康もお金と同じで一朝一夕では手に入りません。若いうちからコツコツと努力を積み重ねていけば、明るい老後が期待できるでしょう。
今から準備すれば老後破産は怖くない
老後破産に陥らないようにするには、少しでも早めに老後生活のシミュレーションをしてみることが大切です。その結果をもとに「支出を減らす」ことと「収入を増やす」ことを同時進行で進めていきましょう。
これからは公的年金だけでは足りなくなる可能性が高いので、資産運用は欠かせない対策です。
老後を考えると憂うつな気持ちになりがちですが、今から準備すればひょっとすると想像以上に楽しい老後が待っているかもしれません。できることから、さっそく始めてみましょう。
文・たなべようこ(ファイナンシャル・プランナー)
証券会社に10年勤務。主に個人向けの資産運用アドバイスを行う。現在は金融関連資格と自身の投資経験を活かして、金融ライターとして活動中。