――香川は、2022年8月のセクハラ報道から1年経ちました。

城下 香川さんは2022年12月に歌舞伎で復帰。自身が経営する昆虫モチーフのアパレルや自然教育絵本の会社「アランチヲネ」も順調のようです。8月25日には、同社の公式のサイトで、「歌舞伎と昆虫にいのちを捧げる」といった内容のコメントを発表しました。セクハラ報道から1年経って、歌舞伎と会社経営に専念していくことを改めて宣言したわけです。このコメントの発表の前日に、猿之助被告の初公判が10月20日に決定しました。

――時期を合わせたということでしょうか。

城下 そうかもしれません。香川さんにしてみれば「澤瀉屋を何とかしないと」いう思いがあるのでしょう。猿之助さんの逮捕時、19歳の息子・團子さんが代役に立って賞賛されていましたが、猿之助さんのスーパー歌舞伎を團子さんが継げるかというとまだ若すぎる。香川さん自身は有名俳優でお客さんを呼び込むことはできますが、子どもの頃から稽古している歌舞伎役者と比べると、やはり40代で歌舞伎デビューしたためどうしても素養の違いが出てしまう。スーパー歌舞伎は、先代の猿之助さん、現在の猿翁さんが始めたもので、今の猿之助さんがさらにスケールアップしたドル箱の演目なんです。