◆多くは語らないのに、縮まる距離感

『月読くんの禁断お夜食』1話では、カリスマパーソナルトレーナーとして体型維持に余念がないそよぎに対し、“揚げないからあげ”を提供した月読くん。

遅い時間に揚げ物を食べることへ恐怖にも似た気持ちを抱くそよぎだが、比較的カロリーの低い鶏胸肉をオリーブオイルで揚げ焼きにしていると聞き、安心して頬張る表情がなんとも可愛らしい。そして、その姿をキッチンから見守る月読くんの居住まいも、穏やかで安心できる。

優しい笑顔で淡々と夜食だけをつくって帰っていくだけの月読くん。彼の独特のオーラや“思わず受け入れてしまいたくなる”魅力は、これまで多くの作品で主役・脇役ともに存在感を示してきた萩原利久だからこそ、表現できるものではないだろうか。

第2話、再びそよぎの自宅に訪れた月読くんがつくったのは、生クリームを使わないグラタン。

1話の揚げないからあげに引き続き、なんとも食欲をかきたてられる。月読くんが料理をするときの手さばきや、食事をするそよぎを見守る眼差しのあたたかさも健在だ。