IPアドレスが流出したことをきっかけに、「個人が特定されるのでは」と不安に思っている人もいるのでは? 実はIPアドレスで「個人」の特定までは不可能……ですが、実際に危険な目にあう可能性もゼロではありません。今回はその理由がわかるよう、IPアドレスの仕組みと流出によって起こりうるリスクについてご紹介します。
IPアドレスは個人を特定することはできない
先月、『note』によるIPアドレスの流出が問題になったことはご存知でしょうか?
記事投稿者のIPアドレスが第三者から確認できてしまう不具合が問題になっていましたが、これにより芸能人などのIPアドレスを別のサービスと紐づけて特定しようとするユーザーが現れ、SNSで告発される騒ぎとなりました。
IPアドレスについてを理解していない人からすると、「IPアドレスがバレると個人が特定されて危険な目に遭うのでは?」と不安に感じてしまうこともあるかもしれません。
結論から申し上げるとIPアドレスで「個人」の特定までは不可能です。ですが、危険な目に逢う可能性も実際にゼロではありません。今回はその理由がわかるように、IPアドレスの仕組みと流出によって起こりうるリスクについてご紹介します。
そもそもIPアドレスとは何か?
IPアドレスとは、簡単にいうとインターネット上の住所のようなもの。
0~255までの数字を4つのドットで区切っていたもので、約43億通りあるといいます。これらの数字があるおかげで、特定の人にメールを送ったり、WEBサイトを閲覧することができるようになっています。
住所というと「やはり特定されるのでは?」と思うかもしれません。実際IPアドレスを調べると、どんな回線を使っているのか、どんな地域からアクセスしてるのかを割り出すことができます。
ですが、誰がどのIPアドレスを使っているのかまでは、ネットワークを提供する企業の企業秘密であり、外部からは分かりません。(事件が起こった場合、警察から情報開示を求める場合はあります)
別サイトの過去の投稿とIPアドレスが一致した場合はやはり本人なのか?
住所や名前はIPアドレスでは分からないものの、今回の騒動のように芸能人などのIPアドレスを別のサービスと紐づけて特定しようとするユーザーが現れることがあります。「この掲示板に誹謗中傷したのは○○だ」と決めつけようとする流れがありましたが、これも100%同じ人が投稿したと断言できるものではありません。
インターネットを利用するには、ビッグローブ光やNTTフレッツ光などといった、プロバイダ契約をする必要があります。契約時にはプロバイダが持っている、たくさんのIPアドレスのうちの1つを貸してもらって利用している状況で、契約解除をした場合は、そのIPアドレスがまた別の人へと貸し出されるからです。
もちろん、カフェでフリーWi-Fiを利用した際には、そのカフェのIPアドレスが表示されます。また、停電が発生したり、プロバイダ側で障害が起きた時には、IPアドレスが変わることもあり、投稿時間の差が広がるほど、同じ人だと100%言いきることはできないのです。