世界最大級かつ最高峰とも言われるサン・ピエトロ大聖堂。そのクーポラから見る景色は、バチカンを訪れたら一度は見たい絶景。触れられるほどに近い天井や見下ろす大聖堂内部など感動間違いなしなクーポラの入場方法を徹底解説します。

バチカンのクーポラって?

クーポラとは、半球状の屋根の部分のことをいいます。サン・ピエトロ大聖堂のクーポラは高さが約120mあります。このクーポラは1547年にミケランジェロの設計によって建設が開始されましたが、ミケランジェロは、完成を見ずに89歳でこの世を去りました。その後、弟子にその意志は引き継がれ、工事スタートから17年後の1590年に完成しました。

クーポラに登るには?

バチカンのクーポラに登るには、バチカン美術館入場後に内部の通路から入場する方法(改めて並ぶ必要がない)と、サン・ピエトロ大聖堂の入場口から入場する方法があります。美術館と大聖堂への入場口はかなり離れています。大聖堂も美術館も人気スポットなので、どちらも混雑します。ただし、バチカン美術館は、予約ができるので、美術館見学後にクーポラに登るのも良いかと思います。今回は、美術館の見学なしで、クーポラに入場する方法を詳しく解説します。

予約は?入場料は? 入場時間は?

クーポラは予約不要ですが、有料です。料金は、階段とエレベーターのどちらを利用するかで異なります。階段を登る方法は€8(¥1,267)、エレベーターで登る方法は€10(¥1,584)になります。また、階段とエレベーターでは、営業時間も違ってきます。オープン時間は同じですが、階段は時間がかかる分、最終入場時間が1時間早めに設定されていますので、お気を付けください。

クーポラ入場時間
4月1日~9月30日:7:00~19:00
10月1日~3月31日:7:00~18:30

ちなみに、地上から展望台までの階段は551段、エレベーターを利用した場合でも、エレベーターを降りた階から320段の階段を登る必要があります。けっこうキツイ階段で、「お年寄りや慢性病をお持ちの方、心臓病の方は注意して下さい。」との掲示もあるので、すべて階段を選ぶのは、体力に自信のある方にのみお勧めします。

クーポラ入場への流れ

入場口とセキュリティチェック

クーポラへの入場口は、サン・ピエトロ大聖堂に入場する場合と同じ入場口で、入場後に分かれるようになります。どちらを先に見学するかは、お好みです。本記事では、クーポラを先に見学するルートでご案内しています。

バチカン市国に入国後、サン・ピエトロ大聖堂を見て、右手の柱廊方向になります。黄色い看板に、「ENTRANCE BASILICA - DOME」と、書かれているのが目じるしです。ここから、大聖堂とクーポラ入場者が一緒に並びます。入場後まもなく、セキュリティチェックがあります。危険物はもちろん、神聖な場所なので、肌を露出しない服装、帽子やスーツケースなどの大きな荷物も不可です。

大聖堂とクーポラの分かれ道

セキュリティを過ぎ、パウロ像を過ぎたところで、右手の階段を登るようになりますが、そこに分岐点となる看板が立っています。茶色の「BASILICA」に従い、左手に進むのが大聖堂見学の方。クーポラに登る方は、緑の「INGRESSO CUPOLA」に従い、階段を登り、右手に進みます。もちろん、大聖堂を見学後にクーポラに登ることも、その逆も可能で、並び直しは不要です。階段手前の正面の建物に進むと、トイレがあります。

チケット購入とエレベーター

流れに沿って進んでいくと、鉄製のドアの手前にチケット売り場があります。エレベーターで登るか、すべて階段で登るか、ここまでに決めておきましょう。クレジットカードでの購入は不可で現金のみになります。

チケットを購入後、先へ進み建物内に入ります。この建物内で、エレベーター組と階段組に分かれます。

エレベーターに乗ると、あっという間にクーポラ部分に到着です。ここから、階段を少々登り、スロープを抜けると、クーポラの内部へ入ります。

クーポラ内部の美しさに感動

頭上には、ミケランジェロが設計した直径42mのクーポラ天井が間近に迫ります。クーポラ内部は一周できるようになっており、金網越しに見下ろすと、大天蓋や主祭壇がはるか下の方に見えます。天井壁画のモザイクにも触れることができるので、感動です。

苦行の後の絶景

クーポラ内部を見学した後は、いよいよ展望台への階段を登ります。展望台が近づくにつれ、狭い上に階段が歪んでいたり、クーポラの曲線に沿って傾きもあったり、なかなかハードな階段です。混雑していると、休みづらいかもしれません。ただ、上りと下りの通路は別になっています。苦しい階段を登りきると、絶景が待っているので、頑張りましょう。シンメトリーな美しさが際立つサン・ピエトロ広場はもちろん、360度のローマの絶景を堪能できます。

テラスで聖人像が間近に

展望台のあとは、エレベーターのフロアに戻り、散策をお忘れなく!ここはテラスになっていて、小さめですが、ショップやカフェも併設されていますし、トイレもあります。

しかし、ここで見逃さないで頂きたいのが、聖人像です。ベルニーニの弟子たちが手掛けた3.2mの聖人像は、間近で見るとより大きく感じられることでしょう。ここから、エレベーターに乗り、下へおりて案内に沿って進むと、大聖堂内に入れます。