「加えてあらすじも伏せられ、事前のプロモーションも行われず、ベールに包まれた状態で公開がスタート。さらに、一般的には上映開始と同時に劇場などで販売されるパンフレットも“後日発売”で、制作サイドは徹底的にネタバレを防いでいたんです。それが仇になったのか、口コミが広がりにくい状況が生まれてしまいました。公開から1カ月以上たった現在でも、SNSではいまだに“ネタバレ厳禁”の空気が漂っています」(同)

 そんな『君たちはどう生きるか』は初日から3日間で観客動員約100万3,000人、興行収入約16億2600万円をあげ、ランキング初登場時は1位を獲得。しかし2週目は2位、3週目は3位、4週目は4位と徐々にランクダウン。なお、宮崎氏が10年前、原作・脚本・監督を務めた『風立ちぬ』(2013年7月公開)は当時、上映開始から8週連続で1位に君臨していた。

「『君たちはどう生きるか』は今月11日、ついにパンフレットの販売を開始。ちょうど世間がお盆休みに入るタイミングでしたし、パンフレットを購入して作品の理解を深めようとするジブリファンの“リピート鑑賞”を狙っていたのではないでしょうか。しかし、これによる成績の伸びはそこまでなかった印象。公開5週目でランキングの順位を1つ上げたものの、累計興行収入は62億3500万円。かつて、5週目で興収72億円を超えていた前作『風立ちぬ』と、約10億円の差がついてしまっています」(同)