さらに、高視聴率獲得の背景にはテレビ環境の変化もあるとキー局関係者は指摘する。

「今回の高視聴率の最大の要因は開催が4年ぶりだったことでしょうが、ここ数年でテレビが一気に大きくなったことは見逃せません。ブラウン管時代、家庭用テレビは20インチ台が標準でしたが、2011年のデジタル化で32インチがスタンダードになり、近年は40インチ台が売れ筋になりました。かつては“小さいテレビでチマチマと花火を見ても”といった感は拭えませんでしたが、画面が大きくなり、画質も向上したことで、テレビでの観賞に耐え得るコンテンツになりました。

 花火中継はヘリを飛ばしたり、賑やかしのタレントを呼んだり、各所にカメラを配置したり、制作費がかさみそうに見えますが、放映権料が安いので、実はそれほど制作費は掛からない。荒天で中止になるリスクはありますが、最近は猛暑が酷く、コロナで混雑が嫌がられる傾向は一気に強まりましたから、今後は花火中継番組が夏のトレンドになるかもしれません」(キー局関係者)

 今日は花火大会だから、早く家に帰らないと──そんな時代がやって来るのかもしれない。