障害の有無によらずさまざまな子どもが使える「IKOU(イコウ)ポータブルチェア」などを企画・販売するHaluは、三菱UFJ銀行が主催した第10回MUFGビジネスサポート・プログラム「Rise Up Festa」に参加し、「都市・暮らしのアップデート」部門・最優秀賞を受賞した。
小さな子ども連れの家族の「外出しづらさ」を解消
この受賞は、「自由で自分たちらしい外出を、すべての子どもと親たちに」をコンセプトとし、障害児育児から見えてくる「お出かけ」にまつわる不便や不満を起点に、さまざまな子どもが「ともに」使うことができるプロダクトの開発・提供を行うインクルーシブ・ブランド「IKOU」の取り組みが評価されたものだ。
Haluは、今回の受賞を励みに、まずは外出先での小さな子どもの「座る」「座らせる」悩みを解決する「IKOUポータブルチェア」をより多くの人に知ってもらい、利用してもらう機会を増やすことで、小さな子ども連れの家族の「外出しづらさ」を解消し、日々を楽しむこと、前向きな社会参加を促すことにつなげていくという。
「インクルーシブ」なキッズチェア
「IKOU」のメインプロダクトである「IKOUポータブルチェア」は、運動機能障害により体幹が弱く、座る姿勢に困難を抱える子どもとその家族の「外出しづらい」という課題を起点に生まれた。
障害児専用の椅子(福祉機器)は大きくて重いため持ち運びができず、外出先で使える椅子がないために、行動範囲が制限されてしまいがちだ。Haluは、当事者とともにデザインや製品開発のプロセスを行う「インクルーシブデザイン」の手法を用い、この課題解決を目指した。
「IKOUポータブルチェア」は、女性でも気軽に持ち運びができ、さまざまな大人用の椅子に簡単に取り付け可能だ。障害の有無で使い手を選ばない「インクルーシブ」なキッズチェアとして、2022年春より販売を開始し、さまざまな家族から「小さな子どもがいても、みんなと一緒にお出かけができてうれしい」という喜びの声が届いているという。
「IKOUポータブルチェア」は、オンラインでの個人向け販売のほか、企業・団体への導入も行っている。特に、スタジアムや劇場、商業施設、飲食店等、「IKOUポータブルチェア」が利用できる施設やイベントの拡大により、小さな子ども連れの家族がこれまでアクセスしづらかった外出先に自由に出かけられる機会を増やし、さまざまなニーズを持つ人たちが体験を共有できる空間を広げ、社会の多様性の可視化につなげていくことを目指している。