就業体験とも呼ばれる「インターンシップ」は、本格的な就職活動を始める前の学生にとって、企業のこと、業界のこと、社会のことを知る貴重なチャンスです。しかし、いざインターンシップに参加しようと思っても、どの企業に行けばいいのか、何を基準に選べばいいのかわからない人もいるのではないでしょうか。今回はインターンシップの基本と選び方について解説します。
インターンシップは、学生生活から一歩踏み出すための準備
就職情報サイトの「マイナビ」が2021年卒の学生5,794名を対象に行った調査(2020年2月実施)によると、インターンシップに参加した人は85.3%という結果でした。いまや大学生にとってインターンシップに参加するのは当たり前とも言われますが、そのタイプや特徴、得られる成果はさまざまです。まずは基礎的なこととして、インターンシップの種類から見ていきましょう。
インターンシップの種類
インターンシップは主に「短期インターンシップ」と「長期インターンシップ」にわけられます。
短期インターンシップ
1日~2週間くらいまでのインターンシップのことです。日数などによって企業説明会のようなものから、より実践的で選考の一環となるようなものもあります。実施企業は大手中心で、短期間のため参加しやすいメリットがあります。人気の業界や企業規模の大きな企業の場合は倍率も高くなりがちなので、早めの情報収集がカギとなるでしょう。
長期インターンシップ
1ヵ月から1年くらいの期間のインターンシップで、中小企業やベンチャーの募集が多く、毎日ではなく週に何日か実際に勤務して社員と同じ業務を行うタイプもあります。実務レベルのスキルを身に付けることができ、給料の出る場合がほとんどですが、相応の責任や緊張感も伴います。参加者がそこまで多くないため就活では大きなアピール材料となるでしょう。
インターンシップを選ぶ際の3つの基準
参加したいインターンシップを探すとき、選択の基準がよくわからないという人は、まず次の3つのポイントから検討してみましょう。
1.業界・企業で選ぶ
もしすでに就職したい企業が決まっていて、その企業がインターンシップを実施している場合は積極的に参加しましょう。インターンシップは、基本的には採用と関係ないとはいうものの、実質的に選考の一部となっている場合もあるので、実施の有無は早めに確認したいところです。
業界のみ決まっている人は、その業界に特化した募集サイトや企業ホームページから探すといいでしょう。働きながら業界研究ができ、複数のプログラムに参加すれば企業ごとの特色も比較できるので、企業選びの基準も固められますよ。
2.実施期間で選ぶ
就職したい企業や業界がはっきりしていない人は、スケジュールが合う企業から探してもいいでしょう。まずは、参加しやすい短期型でスケジュールを埋め、行きたい業界が絞れてきたら、その業界からスケジュールに合う企業を選んで、長期インターンシップに参加してみるというのもひとつの進め方です。
3.実施内容で選ぶ
業界ではなく、職種を基準に選ぶのもいいでしょう。例えば、営業体験がしたいなら実際にクライアントを訪問できるインターンシッププログラム、マーケティングに興味があるなら新規事業提案を行うプログラムなどが考えられます。
また、まずは業界全体を知りたいという人は勉強会のある短期型から参加してみるのもいいでしょう。