しかし当時、クラッシュギャルズに黄色い声援を送っていた少女達は今や40代、50代。ライブに出向くような過去の情熱はもはや無いのではと思いきや、ネット上では「こんな日が来るなんて!」「絶対泣く!」「もうドキドキしている」などと今から待ちわびている声が寄せられているのだ。
情報過多である今とは違い、昔は情報を得られるソースがテレビや雑誌しかなかった。もちろんテレビは家族の長である父親が一番の権限を持っており、野球が始まった日には野球以外の情報は何も得られない。なので子供たちは本屋で情報誌を立ち読みしたり、テレビを自由に見られる友達などから欲しい情報を人伝に聞き、頭の中で妄想を膨らませていたのだ。今のように聞きたくもない暴露話や、悲しませるだけのゴシップ記事などが無かった時代のテレビは憧れと夢で溢れていたのだ。
あの頃の芸能界への高揚感やワクワク、非現実的な世界観には中毒性があると僕は思っており、僕と同世代の人たちはあの頃の感覚をもう一度味わいたくて、「過去の復活」へ敏感に反応してしまうのだ。
いつの時代も人間の本質が変わっていないので、過去に起こったトレンドや流行は一定の周期で繰り返すというが、その一定の周期が今まさに訪れているのではないだろうか。
いつまでも過去のテレビにこだわっているのはナンセンスと思われそうだが、そう思われても良いものは良いのだ。なので夢も希望もないテレビしか知らない世代に、あのドキドキを味わって共感してほしいのかもしれない。
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