ジェームズ・キャメロン、『ターミネーター』(photo : Orion/Kobal/Shutterstock)
『タイタニック』などで知られ、3度オスカーを受賞したジェームズ・キャメロン監督は、人工知能(AI)が「良い物語」や映画の脚本を書く能力があるとは、まだ思っていないようだ。
ChatGPTのようなAIチャットボットが、電子メールや履歴書、さらには小説作品の執筆を手助けしていることを振り返りながら、キャメロン監督は、「AIに脚本を書かせようと考えている人すら知らない」と語った。
そしてあくまで個人的な意見としながらも「人生や、愛、ウソ、恐怖、そして死について、それをただ言葉のサラダにまとめたようなもの」と説明し、それが「観客を感動させるようなものを生み出すとは思えない」と彼はCTV Newsに語った。
またキャメロン監督は「20年待ってみて、AIがアカデミー賞脚本賞を受賞したら、真剣に受け止めなければならないと思う」と述べた。
キャメロンは、AIに仕事を奪われる心配はないと述べた後、AIが核兵器によるホロコーストを引き起こすのではないかという懸念を表明した。 「AIの兵器化が最大の危険だと思う。私たちがAIを作らなければ、他の連中が必ず作るだろうし、そうなればエスカレートしていくだろう」。
さらにキャメロン監督は、アーノルド・シュワルツェネッガー主演の映画『ターミネーター』を引き合いに出し、「私は1984年に君たちに警告しただろう・・しかし、君たちは耳を貸さなかったんだ」と述べた。
『ターミネーター』は、2029年から1984年に送り込まれた人間の兵士が、同じ年から送り込まれたほとんど不滅のサイボーグ殺人マシンを止めるというストーリーだ。
主演のシュワルツェネッガーも、AIについて同様の感想を述べ、『ターミネーター』は『現実のものとなった』と警告。「今日、誰もがAIに怯えている。この映画、『ターミネーター』では、機械が自我を持つようになり、乗っ取られてしまうと話している。 何十年もかけて、それが現実になったんだ」とコメントしていた。