リサ・マリー・プレスリー
糖尿病治療薬「オゼンピック」の使用をめぐり、専門家が警鐘を鳴らしている。
「オゼンピック」は糖尿病患者がインスリン濃度を管理するために使用する薬だが、SNSで「ダイエットに効果的」だと話題になったことから、アメリカ国内では価格が上昇し、入手困難な状況となっている。そんな中、人気リアリティ番組「Botched:整形手術の光と闇」に出演するテリー・ダブロウ医師が、ダイエットのためにリスクを冒そうとする人々に警告している。
このたびTMZの取材に応じたテリー・ダブロウ医師は、今年1月に亡くなったエルヴィス・プレスリーの娘リサ・マリー・プレスリーの死因が減量手術によって引き起こされた腸閉塞であったことから、「減量指導を行う専門家たちは、オゼンピックや減量手術といった治療の危険性について認識を高めるべきだ」と指摘。命に関わる事態になりかねないと主張している。
ダブロウ医師によると、減量手術による長期的なリスクとして、ヘルニアや胆石、栄養失調、潰瘍(かいよう)、胸やけ、下痢や嘔吐(おうと)、ふらつきなどをともなうダンピング症候群(※)などが起こる可能性があるという。加えて、この手術とオゼンピックのような減量薬の併用、さらに痛み止めのオピオイドといった薬の組み合わせが、最悪の結果を招く可能性があると訴えた。
※胃の切除後の再建など、食べ物の流れを変えることにより、これまで胃の中を通っていた食べ物が直接腸に流れ込むため、めまい、 動悸 どうき 、発汗、頭痛、手指のふるえなどのさまざまな不快な症状が起こること
また、ダブロウ医師は、現時点で自身が担当する3人の患者が、オゼンピックの使用により腸の問題や膵炎(すいえん)で入院しているとし、過度の腹痛や下痢、皮膚のたるみといった複数の副作用に加え、自殺願望を引き起こす可能性などが報告されていると述べた。
そのうえでダブロウ医師は、「いまのところ、このことは議題にあがっていないが、いずれ話をしなければならないときが必ず来るだろう」と警告している。