WHOの「自殺報道ガイドライン」に抵触しかねない情報は「引用」する?
情報番組では確かに、「『週刊○○』によると」「『スポーツ○○』がこう報じている」といった言い回しで、他媒体の記事を紹介する場面は多い。
「これはつまり、ryuchellさんの訃報を番組で取り上げる“リスク”を、他メディアに押し付けたいという思惑があっての措置なのでしょう。WHOの『自殺報道ガイドライン』には、『自殺が発生した現場や場所の詳細を伝えないこと』『センセーショナルな見出しを使わないこと』といった項目がありますが、こうしたものに抵触しかねない情報は、他社の“引用”という形をとり、もし視聴者から苦情が殺到した場合、“そちらの会社の責任”ということにしたいのでは」(同)
同ガイドラインには「報道を過度に繰り返さないこと」という項目もある。7月12日には厚生労働省が自死を誘発する可能性があるとして、報道を控えるように注意喚起も行った。
そんな中、テレビ局がそこまでリスクを回避したいのであれば、あえて番組内で“ryuchellさんの自死については一切取り上げない”という選択肢もあるはずだが、今後も引用を主体とした放送は続いていくのだろうか。