ストライキの様子 Photo: Samuel Braslow/Shutterstock
全米脚本家組合(WAG)によるストライキが続く中、ハリウッド俳優らによる労働組合「映画俳優組合(SAG-AFTRA)」も後に続く可能性が濃厚となった。約60年ぶりに、WAGとSAG-AFTRAのストが重なることになりそうだ。
全米の俳優16万人が加入するSAG-AFTRAは、大手スタジオを代表する業界団体に対し、AI対策や賃金アップといった待遇の改善などを求め、約1か月にわたって交渉をおこなってきたが、合意に至らなかった。そして交渉期限となる7月13日(木)早朝、組合は発表した声明の中で、「4週間以上にわたって交渉したにもかかわらず、Amazon、Apple、ディズニー、NBCユニバーサル、ネットフリックス、パラマウント、ソニー、ワーナー・ブラザース・ディスカバリーを含む大手スタジオとストリーミング配信会社を代表するグループは、SAG-AFTRAの組合員にとって不可欠で重要な問題に関して、公正な取引を提示する意思がないままだ」と述べている。
そして13日(木)の午前、同組合の全国理事会による会合が行われ、ストライキが実行されることが明らかになった。会合にあたり同組合のフラン・ドレシャー会長は、「我々は誠意を持って交渉し、演者のニーズに十分に対応した合意に達することを望んでいた。しかし、AMPTP(映画製作者協会)の回答は、業界に大きく貢献してきた我々を侮辱(ぶじょく)し、軽視するものであった」と怒りをあらわにしている。
ストライキ突入にあたり、俳優らは作品のプロモーション活動への参加を取りやめるなどの行動を起こすことになる。また、ストライキは映画とテレビ制作に限定されており、テレビ局の司会者やアナウンサーなど、ニュース業界で働くSAG-AFTRA組合員は参加しないとされている。
今年5月には、映画とテレビの脚本家を代表する労働組合「全米脚本家組合(WAG)」が、AMPTPに対し、待遇改善を求めてストを開始した。2か月以上にわたって続いているこのストは、テレビ番組や映画、深夜のトーク番組などの制作に影響を及ぼしている。
日本では現時点で、映画『バービー』のマーゴット・ロビーら、『ミッション:インポッシブル/デッドレコニング PART ONE』のトム・クルーズらのプロモーションが決定しているが、はたして来日イベントは実施されるのだろうか。