2014年1月からスタートした少額投資非課税制度『NISA』を皮切りに、2017年にはこれまでの個人型確定拠出年金の加入対象者が拡大され『iDeCo』という名前でリニューアル、そして2018年1月からは投資方法を積立型に限定した『つみたてNISA』が開始され、ここ数年で私たちが利用できる投資制度の選択肢はどんどん増えています。

では、これら新たな投資制度がここまで増えているのにはどのような理由があるのでしょうか?また、ダレがどのような意図を持ってこれらを広めたいのでしょうか?今回はそういったこれらの制度の背景をご紹介します。

みんなの貯金はどこに行く?

(写真=PIXTA)

タンス預金は別にして、みなさんが銀行や証券会社などでお金を預けたり金融商品を買ったりすると、そのお金は、資金が必要な個人や企業が経営のために使うお金になります。

このように、みなさんのお金は世の中にある金融商品を通じて日本や世界の経済に循環していくのですが、逆に企業側から見てみると、お金を調達する方法は、大きく「銀行からお金を借りる方法」と「株や債券で調達する方法」の2つに分けることができます。

これまで日本の資産運用といえば、ほとんどの人が郵便貯金や銀行預金を利用してきました。例えば、2017年に金融庁で行われた「家計の安定的な資産形成に関する有識者会議」の説明資料によると、各国の家計金融資産構成比における現金・預金の割合は、アメリカ13.7%、イギリス24.4%に対し、日本は51.9%と非常に高い水準になっています。

つまり、これまで個人のお金はほとんど銀行に預けられていたので、日本の企業がお金を調達するには、銀行からお金を借りる方法が一般的でした。

「貯金から投資へ」はなぜ起こった?

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しかし、特にバブル崩壊後とそれに続く長い景気後退の時期に、金融機関が自分たちの経営安定を優先し、企業に対してお金を融資しなくなる「貸し渋り」や、企業がきちんと返済しているにもかかわらず、急に借りたお金の返済を迫られる「貸し剝がし」と呼ばれる行為が増え、企業の資金調達がうまくできないという問題が起こりました。

ここで、最近出てきた新たな制度で買える金融商品を見てみると、iDeCoでは元本確保型の商品はあるものの、数としては投資信託が圧倒的に多く、またNISAは株式、債券、投資信託やREITなど、つみたてNISAに関してはほぼ投資信託と、上で述べた企業が資金を「株や債券で調達する方法」で利用できるものが大半となっています。

銀行からの借り入れが悪いというのではなく、企業、特に中小企業にとっては資金調達の選択肢は多いほうがいいですよね。

つまり、最近の制度は、みなさんが持っているお金を株や債券などに回るようにし、企業の資金調達をしやすいようにして、結果として国の経済をよくしていきたいという政府の政策と見ることもできます。

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金融機関も力を入れるiDeCoとNISA

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政府としては貯金から投資へ資産を移す政策に力を入れていますが、金融機関もこの流れに乗り、iDeCoやNISAの普及に力を入れています。なぜなら、株や投資信託は、販売するときには販売手数料が、運用するときには信託報酬という手数料を安定して受け取ることができるからです。

このように、政府も金融機関もiDeCoとNISAを普及させたいという思いは同じですが、その目的は大きく異なっています。

2018年からはじまった「つみたてNISA」は、この目的の違いが明らかになった制度ともいえます。

つみたてNISAでは、みなさんの資産を長期的に安心できる投資信託に移行できるように、購入できる投資信託は、販売手数料がかからないことや、信託報酬が低いものに限定するなど、政府が厳しく対象商品を制限しました。結果として、金融機関にとっては販売しても受け取れる手数料が少ない商品ということになります。

投資信託協会が発表した「投資信託に関するアンケート調査報告書-2017年(平成29年)NISA、iDeCo等制度に関する調査)」によると、つみたてNISAの認知度は36.9%にとどまっています。

また、最も長期の積み立てに向いている若年層の認知度も、20代では24.7%、30代でも30.9%となっています。

実際投資に関するご相談を受けていても、最近はじまったつみたてNISAより、iDeCoに関するご相談が多いので、金融機関ではあまり「つみたてNISA」を勧められていないのではと感じることがあります。

iDeCoとNISAで貯金と投資をバランス良く

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最近増えている制度に関して、ダレがどのような背景で普及させようとしているのかという視点でご紹介しましたが、もちろんみなさんにとっても資産運用を行うことは、将来のお金に関するリスクを減らしたり、経済に興味を持つことができたりとさまざまなメリットがあります。

これらの制度が誕生した背景を知って、うまくみなさんの資産運用に活かしてみてください。

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文・松岡紀史(ライツワードFP事務所代表・ファイナンシャルプランナー)

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