私たちが色から受ける影響はとても大きくて、癒されたりパワーをもらったりします。例えば、日頃から持ち歩いているバッグの中に好きな色の小物が1つ入っているだけで、なぜだか心が浮き立つ経験は誰しもあるもの。

 

そんな『“HAPPY”な気持ちにさせてくれるようなモノ・コト』をテーマに世界に1つだけのハンドメイド革小物を発信する「OneOctave(ワンオクターブ)」は、豊富なカラーバリエーションと柄が魅力。また、そのすべてが「一点モノ」なのです。

▲「OneOctave 」デザイナー兼クリエーター 池田悦子さん

「使っていてワクワクするような自分だけのオンリーワンを見つけてほしい」。そんな想いを込めて1点1点心のこもったアイテムを発信する「OneOctave」のデザイナー兼クリエイター池田悦子さん(以下、池田さん)にこのたびインタビュー。彼女の“ものづくりの魅力”に迫ります。

 

|ものづくりが大好きな家族に囲まれた子ども時代がクリエーションの原点

 

おばあちゃんは刺繍、お母さんはパッチワークと、ものづくりが大好きな家族に囲まれて育ったという池田さん。手芸屋でアルバイトをしていた大学生の時は、洋服づくりや編み物、ビーズを使ったアクセサリーなど、色々なものづくりに挑戦していたそう。そんな池田さんがつくるときに譲れなかったことはたった1つ。他の人とは絶対かぶらないこと。”自分しか着ていない”、“自分だけしか持っていない”というものをつくりたいと常日頃から思っていたのだそうです。

 

そんな池田さんが革小物づくりに目覚めたきっかけは、友だちに誘われて革小物製作の講座に通ったこと。そこで基礎を学び、さらには興味のあった革の染色も学びました。以前から革小物が大好きだった池田さん。でも「革=黒、茶色、ヌメなどのシンプルな色合い」だということに物足りなさも感じていたと言います。このとき「革をカラフルな色に染める方法」を学んだことが「OneOctave」が生まれる原点となったのです。

 

|染めの工程から生まれたオリジナルのデザイン

革を自分好みのカラフルな色に染められることを知った池田さんは革をマーブル模様に染めることにハマっていきます。マーブル模様に染める方法はいろいろありますが、池田さんが採用しているのは、染料を垂らした水に革をつけて染めていく方法。この方法だと優しい印象の模様がつくれ、さらに毎回違う表情に染められるのだそう。

ただし問題は染料や水が少しでも泡立ってしまうと、その部分は染まらず泡の形で残ってしまうこと。また泡立たないようにどんなに気をつけて作業しても、革の中に隠れていた気泡が出てきてしまうことがあり、完璧なマーブル模様をつくるのは難しいと言います。そこで閃いたのが“マーブル模様の上に革用スタンプで動物のモチーフを捺す”という方法。スタンプを捺すことで染め残ってしまった気泡部分も目立たなくなる上、さらに可愛いさも増す! まさに大発見でした。

▲スタンプを上手に捺すポイントは「インクを多めにつけて心を込めて丁寧に捺すこと」と池田さん。つくっている時の池田さんは本当に楽しそうな表情を見せてくれる

 

スタンプも最初は市販のスタンプを使用していましたが、オリジナルスタンプの製作も徐々にはじめていきます。猫、フレンチブルドッグ、ウサギ、パンダ、ペンギン、キリンなどなど。スタンプのデザインは懇意にしているデビュー前のイラストレーターさんに依頼しているそうです。

最近では「ウチの猫や犬をデザインして欲しい!」といったオーダーも入るようになってきたとのこと。また、将来的にはいろいろなイラストでスタンプを作り「OneOctave」の作品として発信することで新人イラストレーターさんたちの支援につながればとも池田さんは考えていると言います。