ニコールさんとハンターくんニコールさんとハンターくん

小学校に着くのが「1分」遅れたがために“異例の罰”を受けた男の子の話を、海外メディアが紹介している。

2015年、米オレゴン州グランツ・パスにあるリンカーン学校に通っていたハンター・クメロくん(6)。当時小学1年生だった彼はほとんど遅刻することなく毎日元気に通学していたが、ある日の朝、自家用車がトラブルを起こしてしまい、学校に「1分」遅刻するはめになったという。

ABC7のインタビューに応じたニコールさんはこの日の出来事を回顧。なんでも、学校に少し遅刻してしまうことに気がついたハンターくんは学校に入るや泣き始めてしまったという。彼が涙した理由は、遅刻した生徒に科される“厳しい罰”を恐れていたからだった。ニコールさんいわく、ハンターくんの通う学校には、3回遅刻をするごとに居残りを1回、以降は遅刻をする度に居残りという独自のルールがあったそうだ。

心配になったニコールさんはハンターくんの昼食時、彼の様子を見に行くことに。しかし、食堂に座っていたハンターくんを見てニコールさんはショックを受けることになる。

なんとハンターくんは1分遅刻した罰として、ダンボール紙で作られた仕切り版(パーティション)で囲まれ、全校生徒から見えないようにされていたのだ。

【動画】ハンターくんの当時の写真などが収められた映像

ニコールさんはそのときの様子を撮影。その後、ハンターくんの祖母であるローラ・フーバーさんは「これは私の孫、ハンターです。彼は小さな小学一年生です。彼のママの車は時々、エンジンがかかるのを嫌がるのです。時として彼は学校に数分遅刻することがあります。昨日、彼は1分遅刻しました。そしてこれが、彼のママが発見した、彼ら(学校側)が彼を罰するためにしていることです!彼らは、これを彼に6回もしたの。彼には制御できないことなのに。彼らは他の生徒の前で彼を嘲笑させたのよ」という文章と共に、カフェテリアでひとり隔離されるハンターくんの写真をFacebookに投稿。怒りをあらわにした。

なお、ハンターくんの母親ニコールさんは骨粗しょう症を患っており、動くことが困難な日もあるのだという。

ハンターくんの写真がネット上で拡散されるや、学校側は遅刻ルールをすぐさま変更、生徒が遅刻した際の罰則を廃止することを決定した。さらに遅刻した生徒が出席できなかった授業に追いつけるよう、教師がサポートする教室も設置したという。

また、修理費用が高かったことから車を直せずにいたニコールさんだが、この話を耳にした地元企業は彼女に2001年型のクライスラー・タウン&カントリーを寄付。さらに1年間のオイル交換無料や、地域の人々や地元のレストランから給油カードやギフトカードを受け取ったりと周囲からの手厚いサポートがあったことを明かしている。