過去の万博と比較すると、1970年の大阪万博は800円、1985年のつくば万博は2700円、2005年の愛知万博は4600円。当時の物価の違いもあるので、単純比較はできませんが……。一方、ほかの娯楽施設と比較すると、USJは8600円~1万400円です。東京ディズニーランドは昨日、10月からチケット価格を最高1万900円にすることを発表しましたが、日本が誇るテーマパークとだいだい同レベルとなります」(フリージャーナリスト)

 協会は約2820万人の来場を想定しているが、これはコロナ前の東京ディズニーリゾートの年間入園者数と同レベル。相当に強気な試算にも思えるが、景気が悪い今の日本で、万博で大散財する人間がそんなにいるのか。トラベルライターはこう語る。

「仮に親子3人で東京から足を運べば、新幹線代が往復で約7万円、万博の入場料が約2万円、飲み食いも1日あたり1~2万円は掛かるでしょう。宿泊代は通常なら大阪市内で2万円ぐらいですが、想定通りの来場者数が訪れるなら、万博期間中は大阪の宿泊施設はパンパンなので、どこもかなり強気な価格設定をすることが予想される。遠方に泊まるのがイヤなら、4~5万円を覚悟する必要があります。こうなると、弾丸ツアーの1泊2日でも親子3人で20万円前後、2泊すれば30万円近く飛んでいく計算です」

 関西圏在住者なら宿代はいらず、交通費も劇的に下がるが、日本の3割は首都圏在住者だ。不景気の日本で、“たった半年で終わるお祭り”に20~30万円を投じられる人間がどれだけいるか。前出のフリージャーナリストは、悲劇的な結末を予想する。