「爾汝の交わり」

ヒントに挙げた通り「爾汝の交わり」という故事成語があります。

中国に「世説新語」という著名人の逸話を集めた文言小説集があるのですが、その中にあった逸話が元となっています。

二世紀の中国、後漢王朝の時代の話。禰衡(でいこう)という人物は早熟で、まだ二〇歳にもならない時に、すでに五〇歳を過ぎていた孔融という学者に才能を認められ、「爾汝の交わり(互いに「おまえ」と呼び合う交友関係)」を結んだ、ということです。

この逸話からわかるように「爾汝の交わり」というのはただ遠慮なく呼び合う仲というだけではなく、年齢や身分に関係なく親交が深い相手ということになります。

年齢も立場も関係なく気安く呼び合えるような交友関係を持てることは素晴らしいことだなと思いつつ「爾汝」の読み方も是非覚えておいてくださいね。

難読漢字、3問目は「薦被り」!

「薦被り」の読み方をご存じですか?

「薦」という字は「蔦」に似ているように見えますが「つたかぶり」では間違いです。

それでは、いったい何と読むのでしょうか?

「薦被り」の読み方のヒントはこちら

  1. ひらがなで書くと「○○かぶり」の4文字
  2. 訓読みです
  3. 神社で見かけることがあります

以上の3つのヒントから考えてみてください。

「薦被り」の読み方、正解は・・・


正解は

「こもかぶり」

です!

「薦」は草(マコモ)で織った敷物(むしろ)のことをあらわしており、このむしろで包んだ4斗(約72リットル)入りの酒樽のことを「薦被り」と呼んでいたのです。「こも」は「菰」とも書き「菰冠」と書かれることもあります。

別の意味では、むしろをかぶっているというイメージから「乞食(こじき)」のことや死刑囚や非業の死をとげた人のことをあらわすこともあります。

現代にもある「薦被り」

元々酒樽をむしろで包んだのは、海上輸送が盛んになった江戸時代、大きな酒樽が破損しないように、という目的でしたが、現代でも藁(わら)を使って綺麗に飾り付けられた酒樽が「菰樽(こもだる)」と呼ばれています。縁起物や銘柄の広告として樽を包んでおり、元の目的とは大分変わったものになっています。

綺麗に包まれた酒樽が、大きい神社に並べて奉納されている様子をご覧になった方も多いと思います。

神社で酒樽を見かけたら「薦被り」のことや読み方を思い出してくださいね。

 

さて、難読漢字3問、いかがでしたか?
今回は特に読み方の想像がつかない難読漢字を選んでみました。

全問正解できた方も、今回はあまり正解できなかった方も、また難読漢字にチャレンジしてみてくださいね。