アデル @adele / Instagramアデル @adele / Instagram

イギリスの歌姫アデル(35)が、アーティストめがけて物を投げるファンに対して苦言を呈した。

アデルが怒りをあらわにしたのは、ラスベガスのレジデンシー公演(※)「Weekends with Adele」でのこと。米Variety誌によると、Tシャツを客席に飛ばすバズーカを手にしたアデルは、最近頻繫(ひんぱん)に起こっている“アーティストに物を投げる行為”について、非難したという。

※長期間にわたって同じ劇場・内容で行われるコンサートのこと。

「この頃、人々がショーのエチケットを忘れているってことに気付いている?クソなものを投げている人たちを見たことはある?」と放送禁止用語を交えながら切り出したアデルは、続けて「かかってきなさいよ。私に何か投げつけてみなさい、そしたら私がアンタを始末してやる」と挑発するような言葉を発したという。

アデルがここまで怒りをあらわにしたのは、近頃、アーティストがパフォーマンス中に被害に遭う事件が続出しているためだ。先月(6月18日)、歌手のビービー・レクサはファンが投げたスマートフォンが顔面を直撃し左目付近を負傷。その事故から2日後の6月20日には、米ロサンゼルスでコンサートを行っていた歌手エイバ・マックスが、ステージに上がったファンにとつぜん引っ叩かれ、顔を負傷するという事件が起きた。

また、歌手のピンクは6月25日に参加した「ブリティッシュ・サマータイム・フェスティバル」のステージにて、ファンから遺灰の入った袋を投げられるという珍ハプニングに巻き込まれたほか、6月28日には、カントリー歌手のケルシー・バレリーニが観客席から投げられたブレスレットが顔にヒットする事故に遭っている。

アーティストを標的にした事件が続いていることについて、ある専門家は、米USA TODAYに対し、確実なことは言えないと念を押しつつも、オンラインと現実世界の境界線がぼやけてしまい、自分のお気に入りのアーティストに対する“バイラルする瞬間”を渇望していることが原因なのではないかとの見解を示している。要は、注目を浴びたい、アーティストとのつながりを感じたいという欲求が先述のような行動を引き起こしている可能性があるという。

アデルが今回一喝したことで、この不快なトレンドは終焉を迎えるのだろうか・・?