トラヴィス・スコットトラヴィス・スコット

トラヴィス・スコットに、刑事責任を問わないという評決が下された。

2021年11月、米テキサス州ヒューストンで開催された音楽フェス「アストロワールド・フェスティバル」にて、観客10人が死亡、数百人がケガをするという群衆事故が発生した。

当時ステージに立っていたラッパーのトラヴィス・スコットを含む主催者5人は、この事故の刑事責任があるとして訴えられていたが、事故から1年以上経過した今年6月29日(木)、大陪審は、彼らに刑事責任は問わないと決定した。

同日、ハリス地方検事のキム・オッグは、亡くなった被害者に追悼の言葉を述べるとともに、「大陪審は、犯罪は起こらず、ひとりの人間にも刑事責任はないと判断した」と語っている。

この評決を受け、トラヴィスの弁護人ケント・シェーファーが声明を発表。「私のクライアントであるトラヴィス・スコット氏は、アストロワールド・フェスティバルに関して、不正行為もしていなければ、刑事告発されるようなこともしていません。本日のハリス郡地方検事の決定は、トラヴィスはこの悲劇に責任がないという、我々がずっとわかっていたことを裏付けたのです。これは、イベントの安全管理の責任が、パフォーマーではなく、主催者、運営者、請負業者にあるとしてきた多くのメディアによる調査報道、連邦政府および州政府の報告書と一致しています」とし、「このチャプターが幕を閉じたいま、我々は、政府が、今後このような悲劇を二度と繰り返さないという重要な取り組みに集中することをのぞんでいます」と述べた。

なお、Rolling Stone誌が報じたところによると、トラヴィスと主催者は刑事責任こそ問われないものの、不慮の事故死、人身傷害、過失を主張する数百件の民事訴訟を起こされており、数十億ドルの損害賠償を請求される可能性があるという。