伊豆諸島のひとつ【新島(にいじま)】は東京の離島です。都心から高速船なら約2時間半で到着とアクセスも比較的良く、南国リゾート感を気軽に楽しめる島として隠れた人気があります。また、世界的にも珍しい「コーガ石」の産出地ということもあり、島内のさまざまな場所で石の建造物や石像が見られるという少し変わった島。さらにコーガ石から作られる「新島ガラス」は、島の代表的なお土産品となっています。

「石山展望台」から見る新島らしさ満点の絶景

南国リゾートのような景色が広がるのが新島の魅力。特に美しい海と白い岩肌のコントラストは、なかなか他の場所では味わえない絶景です。そんな景色を楽しむのに最適な場所が「石山展望台」です。

その名前からも分かる通り、この場所はコーガ石の採掘場でもある山。切り崩された大岩が多く見られる採掘場を抜けたところにある展望台からは島の西と南側を広く望め、コバルトブルーが美しい海と白い岩肌とを一緒に見ることができます。

南側には近くに式根島、遠くには神津島と、伊豆諸島の遠景を楽しむことも可能。展望台へは車でアクセスできますが、トレッキングコースも整備されているので、ゆっくり時間をかけて楽しみたい場合には、歩いてのアクセスもおすすめです。

サーフポイントとしても人気の「シークレット」

高台からの景色を楽しめる石山展望台と違い、岩肌の迫力をより強く感じられるのが、島の東側に位置している「シークレット」という場所です。

新島の南部の海岸線には約6kmにも渡って巨大な白い岩壁がそびえ立っています。高さも30〜50mほどあり、壁というよりは、柱がいっぱい並んでいるようにも見えて少し不気味ささえ感じられます。海風の侵食でいびつに削られた姿は、まさに自然が創りだしたアート作品のよう。

もともとこの場所はサーフィンの名所として知られていました。スポットへの入り口も分かりづらく、地元の人しか知らないポイントだったこともあり「シークレット」と呼ばれるようになったとされています。現在では観光名所のひとつなので、気軽に訪れることができますよ。

新島名物にもなっている「モヤイ像」とは?

石山展望台にも置かれているモヤイ像ですが、実は他にも「新島モヤイ像物語」というスポットや「石の動物園」には数々の石像が並んでいます。

そもそもモヤイ像というもの自体をご存じないという方も多いことでしょう。おそらく日本で最も有名なモヤイ像は渋谷駅のすぐ近くにあり、待ち合わせ場所としても利用されるモヤイ像です。そのモヤイ像も元をたどれば新島から寄贈されたもの。

新島は世界的にも希少であるコーガ石を採掘できる場所ではありますが、そのことは島外ではあまり知られていませんでした。そんなコーガ石の知名度を向上させようと、1970年ごろに有志で作り上げたのがモヤイ像で、いまとなっては島のシンボル的な存在と言われるほど、欠かせないものとなりました。なお、「モヤイ」という単語は、新島の言葉で「助け合う・協力する」という意味を持っています。