売れる要素が揃っているのに売れてないコンビ「三日月マンハッタン」の奇跡

　三日月マンハッタンさんは2002年結成、沖縄で2007年頃まで活動し上京。2010年にはM-1グランプリで敗者復活戦まで勝ち進むことになり、売れそうな芸人が関東にやってきたと話題になった。そして2012年にはABCお笑いグランプリ決勝で4位になる実力を見せつけた。この時芸人界隈ではザワつき、三日月マンハッタンさんが売れそうと思われた。

　しかし関西ローカル放送で東京では見る事ができなかった。当時は配信もないので、芸人界隈の噂止まりで終わってしまう。その後THE MANZAI2013で認定漫才師50組に選ばれる。これに選ばれると深夜で短めのネタがテレビでできる事になる。これはもう売れる間近だと思わされた。そしてライブでも三日月マンハッタンさんのウケは誰でも勝てないぐらいになっていた。芸人も笑い、お客さんも笑い、ライブ会場入口の分厚い扉を突き抜けて笑い声が外に聞こえてきた。あとは決勝に勝ち進むのみの状態だった。

　2014年もTHE MANZAI認定漫才師に選ばれる。ついに決勝に進むと思いきや勝ち進めずTHE MANZAIの大会自体が終わり、2015年にはM-1グランプリが新たに始まる。2015は3回戦、2016年3回戦、2017年準々決勝でラストイヤーを終える。2018年には沖縄で行われた賞レース、お笑いバイアスロンに出場し、決勝出演を勝ち取る。これは凄いのだが関東にまではその話題が届かず、ベテランとして事務所に居続けるがちゃんとネタを研いでおり、事務所ライブでも勢いのある若手を跳ね除け1位を何度も取るなど常に面白い水準が高かった。