カニエ・ウェストカニエ・ウェスト photo : Broadimage/Shutterstock

ラッパーのカニエ・ウェスト。彼は過去に反ユダヤ的な発言で物議をかもしたが、そんな中、新たな反ユダヤ主義の告発が、カニエの近況を描いたBBCのドキュメンタリーで明らかになった。

英国で放映される「The Trouble with KanYe」では、ラッパーの元ビジネスパートナーであるアレックス・クラインが、別れ際に彼が反ユダヤ主義的な発言をしたと非難している。

自身の会社「Kano Computing」を通じ、アルバム『Donda』のために一緒に仕事をしたクラインは、2022年、カニエがアドルフ・ヒトラー賛美を含む数々の反ユダヤ的な発言を公の場で行った後、カニエとの関係を断ち切った。当時のことを振り返り「カニエはとても怒っていました。彼は、『お前を殴りたい気分だ』とか、『お前は他のユダヤ人とまったく同じだ』いう言葉を使って、自分がどれだけ攻撃的になれるか試し、私を傷つけることを願っていました」と彼は主張している。

クラインはまた、カニエが反ユダヤ主義的な言葉を「自分の利益のために」使用していると考えていると述べた。具体的には、彼の2024年の米国大統領選挙に関連している。「私は彼に『本当にユダヤ人は一緒になってあなたを引き止めようとしていると思いますか?』と言いました」とクラインは語り「彼は『そうだ、でもそれは撤回する必要のない発言でもある、なぜなら今のオレの周りにはすごいエネルギーがあるからだ。その発言なしでは、オレは大統領になれない』と言ったのです」「彼はそれが彼の使命、神に選ばれた運命だと考えています」とクラインは付け加えており、「彼はトランプより強烈な方法をとろうとしていた」とコメントした。

カニエの反ユダヤ主義的な行動は、昨年10月に始まった。カニエは、自身のツイッターにて、「今夜は少し眠い。目が覚めたら、ユダヤの人々に『デス・コン3』を発しないとな」と、米軍の警戒体制強化を示す単語を用いた造語でツイートすると、「なにがおもしろいって、オレは実際のところ反ユダヤ主義にはなれないってことだ。黒人は基本的にユダヤだからな。みんなオレをおもちゃみたいに扱ってるけど、自分の意見と反する者をのけ者にしようとしているだけなんだろ」と主張していた。このツイートは最終的にツイッター側から削除され、代わりに「このツイートはツイッターのルールに違反しています」との警告文が表示された。その後、カニエのツイッターアカウントは凍結されていた。