みなさんは「ローン」を利用したり、利用したいと考えたことはありますか?クレジットカードのリボ払いやカードローンは仕組みを理解せずに利用すると、あっという間に金額が膨らんでしまいます。この記事では、20代のみなさんが借入に対してどのように考えているのか、またお金で失敗しないための上手な「クレジットカード」や「カードローン」の使い方をまとめてみました。

20代のみんなは「カードローン」の利用を、どう考えている?

一般社団法人の全国銀行協会が実施した「銀行カードローンに関する消費者意識調査」(20~69歳の男女を対象)をもとに、20代がカードローンをどのように考えているか見ていきましょう。

2020年1月に実施されたこの調査では、銀行カードローンの利用意向について「意向あり」が全体の20.8%を占め、そのうち20代では男性29.9%、女性22.2%が「必要があれば、積極的に利用したい」「必要になった場合は、借入先のひとつとして考える」と回答しています。

男女ともに20代の若い人の利用意向は高いとされ、とくに男性20代の「意向あり」の割合は男女別、年齢別に見ても最も高い数字となっています。

この結果では、20代の男女ともに全体の約半数が「必要があっても絶対に利用しない」と回答していますが、その一方で必要に応じて借入の意向が高い人も一定数いることがわかりました。

さらに回答者10,000サンプルのうち、銀行カードローンでの借入利用経験があると答えたのは全体の13.7%(1,369人)で、そのうちの10.5%が20代男女となりました。

カードローンの利用動機は意外と身近?20代のお金の悩み

20代の一部の人がカードローンによる借入意向がある中、思ったように返済が進まず自治体の窓口や法律事務所にさまざまな相談が寄せられているのも事実です。

大好きな洋服を次々にクレジットカードで買うようになった20代Aさんは、引き落としのお金をキャッシングでまかなうようになり、毎月返済に追われる状態になってしまったといいます。転職時期と重なってますます返済が苦しくなり、行き詰まって市役所に相談したようです。

これに対し、冒頭の調査結果において「銀行カードローン利用者の利用動機(複数回答)」の年代別20代を見ると、上記のような「クレジットカードの引き落とし負担の軽減」のほか「住宅ローン等の返済負担の軽減」「自己啓発や自身のステップアップのため」「家賃の支払い負担の軽減」が、ほかの年代に比べて高い傾向にありました。

また「所得(収入)が減少したため」が22.8%、「冠婚葬祭・医療費など、急に多額の資金が必要になったため」が21.1%など、ショッピングやレジャーなどの娯楽のためではなく、生活上どうしても必要になったというケースも見られ、借入の理由は意外にも身近にあることがわかります。

クレジットカードやカードローンで失敗してしまう要因

返済の仕組みがわかっていない

金融広報中央委員会が行っている「金融リテラシー調査」(2019年)では、金融知識に関する設問の18~29歳の正答率は他の年齢層と比べて低かったことが挙げられており、若い世代ほどお金に関するリテラシーが低いという見方もできるでしょう。

リテラシーは、さまざまな経験から培われるものなので“20代のリテラシーが他の年代と比べて低い”こと自体は悪いことではないはず。一方で、クレジットカードの仕組みや金利などについてライフステージごとに知識を深めていく必要があります。

返済計画を立てられていない

ローンを怖いと感じている人も多くいると思いますが、ローン自体は悪いことではありません。住宅ローンやカーローンなど人生の中で大きな買い物をするとき、多くのひとが目的別ローンを利用するでしょう。

一方でカードローンの金利はとても高いにもかかわらず、比較的、手軽に利用できるという点がその「怖さ」となっているようです。

また一般的に目的別ローンを組むときは、自分の収支から返済シミュレーションを立て、計画的にお金を返していくものです。それに対し、手軽なカードローンでは返済計画を立てない(もしくはその必要を感じていない)ため、失敗してしまう人が多いのかもしれません。