「渠魁」に悪党の頭という意味がある理由
しかし「かしら(頭)」という漢字には、悪党を感じさせる意味はありません。それなのになぜ「渠魁」には悪党の首領という意味があるのでしょうか。
日本では元々「悪」という言葉に否定的な意味だけではなく「力強さ」をあらわす意味があったそうです。平安時代に左大臣を務めた藤原頼長は妥協を許さない性格から「悪左府(あくさふ)」という異名を持っていました。そう考えると「渠魁」は「おおきくすぐれたリーダー」であり、強大な力を持っていることのあらわれなのかもしれませんね。
現代だとどんな人が当てはまるのか考えつつ、この機会に是非「渠魁」の読み方を覚えてくださいね。
難読漢字、3問目は「忽せ」!
「忽せ」の読み方をご存じですか?
「忽」という字は「惣菜」などに使う「惣」という字に似ていますが「そうせ」ではありません。
それでは、いったい何と読むのでしょうか?
「忽せ」の読み方のヒントはこちら
- ひらがなで書くと「ゆ○○○」の4文字
- 訓読みです
- 「惣」「怱」とは読み方が違います
以上の3つのヒントから考えてみてください。
「忽せ」の読み方、正解は・・・
正解は
「ゆるがせ」
です!
「忽」という字は「たちまち」という意味がありますが、この場合は「いいかげん」という意味になります。物事をいいかげんにしておくことをあらわしています。「教えを忽せにはできない」というような使い方をします。
かつては「いるかせ」と言われていたものが音変化したものと言われています。
似たような言葉が・・・
ただ「ゆるがせ」という発音からは別の言葉を思い出す方もいらっしゃるのではないでしょうか。それは「揺るがせ(る)」という言葉です。「揺り動かす」「震動させる」という意味があります。
先ほど説明したように「忽せ」には揺れるような意味はありません。「揺るがせ(る)」は本来「揺るがす」という動詞です。「忽せ」は形容動詞で、元々は「いるかせ」と言われていたことを考えると、まったく違うものなのに偶然発音が似てしまったということですね。
ちょっと紛らわしいな、と思った方はこの機会に是非「忽せ」の読み方を覚えてくださいね。
さて、難読漢字3問、いかがでしたか?
今回は特にあまりなじみのない難読漢字を選んでみました。
全問正解できた方も、今回はあまり正解できなかった方も、また難読漢字にチャレンジしてみてくださいね。