リナ・サワヤマと、マシュー・ヒーリー Photo: Jennie Book/Shutterstock, @the1975 / Twitterリナ・サワヤマと、マシュー・ヒーリー Photo: Jennie Book/Shutterstock, @the1975 / Twitter

リナ・サワヤマが、マシュー・ヒーリーの発言を痛烈に批判している。

ロックバンドThe 1975のフロントマン、マシュー・ヒーリーは今年2月、出演したポッドキャスト番組の中で、女性ラッパーのアイス・スパイスのルーツをからかうような発言を残した上、有色人種の女性が乱暴に扱われるポルノを見て「興奮したことがある」と語った。

これらの発言は大きな波紋を呼び、イギリスを拠点とし、東アジアおよび南東アジアの音楽業界の専門家やアーティストが率いる団体「ESEAミュージック」も非難する声明を発表している。

事態をなんとか収めるため、マシューは4月、オークランドでのライブ中に謝罪の言葉を述べた。

ステージ上で「気を悪くさせたのなら、ちょっと申し訳ない」と切り出したマシューは、観客に向かって、「アイス・スパイス、ごめんなさい。ぼくの冗談が誤解されたことが腹立たしいんじゃない。アイス・スパイスにイヤな奴だと思われたくないんだ。愛してるよ、アイス・スパイス。本当にごめん」と反省を見せていた。

しかし、マシューはその後のインタビューで開き直りとも取れる発言をしており、炎上は収まる気配を見せない。

そんな中、リナ・サワヤマがこの騒動に言及した。

リナはThe 1975と同じレコードレーベル「Dirty Hit」から楽曲をリリースしている。

Dirty Hitは、The 1975のマネージャー、ジェイミー・オーボーンが経営する企業で、マシューは2018年から今年の4月まで、同社のディレクターをつとめていた。

6月24日(土)、イギリス・グラストンベリーでのライブに登場したリナは、楽曲「STFU!」の曲紹介を行う中でこの騒動に触れ、「次の曲は、マイクロアグレッション(※)にうんざりして書いた曲なの」と切り出すと、「だから今夜、この曲は『Ghetto Gaggers』(ポルノシリーズ)を見たり、ポッドキャストでアジア人をバカにしたりする白人男性に贈るわ。彼は私の原盤権も持っているのに。もうたくさんよ」と、マシューへの怒りをあらわにしたのだった。

※無意識の偏見や差別による攻撃のこと