「日本画」や「国宝」という概念を生んだアメリカ人の美術史家「アーネスト・フェノロサ」を簡単に説明し、滋賀県・大津市の法明院にある「アーネスト・フェノロサの墓」を紹介します。

アーネスト・フェノロサとは

アーネスト・フェノロサ(Ernest Fenollosa)は、スペイン系アメリカ人の美術史家・哲学者です。

1853年に、「魔女狩り」で有名なアメリカ・マサチューセッツ州のセイラムにて誕生。同州のハーバード大学を卒業した後、1878年に日本に招かれ、東京大学で哲学や政治学を教えました。

アーネスト・フェノロサは、東京藝術大学の前身「東京美術学校」の創立者の一人であり、「日本画(Japanese painting)」と「国宝(national treasures)」という概念を生んだ人物です。

日本画家「竹内栖鳳(たけうちせいほう)」の「班猫(はんびょう)」。ネコを描いた日本画として、最も有名な作品のひとつ。

アーネスト・フェノロサは、1890年より、母国・マサチューセッツ州の「ボストン美術館」で活動します。1908年に、ロンドンの大英博物館で調査をしている際に、心臓発作で亡くなったとされます。

死後は、映画「ファンタスティック・ビーストと黒い魔法使いの誕生」にも登場するロンドンの「ハイゲート墓地」に埋葬されます。

アーネスト・フェノロサの灰が、東京美術学校の負担で滋賀県の「法明院(ほうみょういん)」に埋葬され、現在も「アーネスト・フェノロサの墓」として存在しています。

アーネスト・フェノロサの墓

アーネスト・フェノロサの墓があるのが、滋賀県・大津市の法明院(ほうみょういん)。「三井寺(みいでら)」や「園城寺(おんじょうじ)」としても知られています。

英語の石碑。

敷地内の奥に、アーネスト・フェノロサの墓はあります。日本語の説明と、英語の石碑もあります。現在も手入れがされている様子です。

アーネスト・フェノロサの墓へのアクセス

法明院の雰囲気。

最寄駅は京阪の「大津市役所前駅」ですが、法明院までのアクセスは車が便利です(坂があります)。

アーネスト・フェノロサの墓までは、軽い登山のようになるので、天気や服装に気を付けるとよいでしょう。