昨今のインフレにより、「日々の生活が厳しくなった」と感じている人もいらっしゃるでしょう。老後資金の貯蓄まで手が回らず、焦っている人もいるかもしれません。

実は、生活保護受給者の半数以上が65歳以上の高齢者世帯です。年金を受給してもなお、老後資金が足りない人がいることがわかります。

2人に1人が高齢者?生活保護受給者の世帯別割合

2020年の調査によると、1ヶ月平均の生活保護受給者は約205万2,000人で、保護率は16.3%です。生活保護受給世帯のうち、65歳以上の高齢者世帯は55.5%にのぼります。つまり、生活保護受給者の半数以上が高齢者世帯です。

年金がもらえる高齢者が生活保護を受けているのはなぜ?

老齢厚生年金を受け取る会社員の場合、現役時代の収入により受給額が異なります。現役時代の収入が少なかった人は、十分な年金額を受け取れないケースもあるでしょう。

また、第1号被保険者である自営業者の老齢基礎年金額は、令和3年の調査によると月56,479円しか受給できません。そのため、年金額だけで生活費をまかなうのは難しいといえます。

特に、最近はインフレにより光熱費や食料品の価格が上がっています。最低生活費に年金が及ばない場合には、年金額との差額を生活保護で補っている高齢者が多いということでしょう。

ただし、下記のすべてを満たしている人だけが生活保護を受給できます。

・働ける状態にない
・保有している財産がない
・年金や各種手当などを使っても生活が困難
・扶養義務者が存在しない