◆それってパクリじゃないですか?

お仕事系ドラマのなかで、後半戦からぐっと見応えがアップしたのは『それってパクリじゃないですか?』(日本テレビ系)。

飲料メーカーの開発部で働く主人公・藤崎亜季(芳根京子)が、ある情報漏洩をきっかけに、知的財産のプロで弁理士資格をもつ上司・北脇雅美(重岡大毅/ジャニーズWEST)とタッグを組んで、知的財産をめぐり巻き起こる問題に立ち向かうストーリーです。

何の気なしに観ていましたが、第7話以降で開発部長の高梨(常盤貴子)と、凄腕弁理士の又坂(ともさかりえ)の存在感が増し、一気に引き込まれました。

◆“それパク”が秀逸だったふたつのポイント

この作品が秀逸だと思ったポイントはふたつ。ひとつは、芳根・重岡コンビが、お互い足りていない部分を補い、刺激し合って成長し、信頼できる仕事仲間になる過程がしっかり描かれたこと。あえて恋愛に発展しなかったのも良き。

もう一つのポイントは、誰かのために懸命に奮闘する人たちの物語だったということです。知的財産という少し難しめのテーマでしたが、描かれていたのは、誰かの努力だったり、誰かの想いだったりを守ろうとする人間の強さと優しさ。随所で各話のエピソードが繋がっており、とても完成度の高いドラマでした。