タイタニック号探索ツアーの潜水艇「タイタン」と、映画『タイタニック』 Photo: EyePress News/Shutterstock, Merie W Wallace/20th Century Fox/Paramount/Kobal/Shutterstock
行方不明の末、残骸となって発見された潜水艇の乗員の妻が、タイタニック号に乗っていて亡くなった夫婦の子孫であることがわかった。
6月18日(日)から消息不明となり、6月22日に残骸が発見された、タイタニック号探索ツアーの潜水艇「タイタン」。このタイタンには、5人の乗員乗客が乗っていたが、船の圧壊により全員が死亡したと見られている。
タイタンは、海底約3200メートルに眠る豪華客船「タイタニック号」の船体に近づくことができるというツアーに使用されている潜水艇で、1人あたりの参加費は25万ドル(約3500万円)もする。
そして、そのうちの1人、操縦士でありツアー運営会社「オーシャンゲート・エクスペディションズ社」のCEOストックトン・ラッシュさんの妻ウェンディ・ラッシュさんが、1912年に沈没したタイタニック号の犠牲者の子孫であることが発覚した。
6月21日(水)、New York Times紙が報じたのは、ウェンディ・ラッシュさんが、タイタニック号に乗っていたイジドー・ストラウスとアイダ・ストラウス夫妻と血縁関係にあるというもの。この夫妻は、1997年に大ヒットした映画『タイタニック』でも描かれていた。
ストラウス夫妻の最期は、タイタニック号の乗客の中でももっとも悲劇的な愛の物語として知られている。
生存者の話によると、沈みゆく客船から逃げ出すため、女性や子供が救命ボートを待つ中、イジドー・ストラウスはボートへ乗り込むのを拒否。その席を他の乗客に譲ると、40年連れ添った妻アイダとともに、タイタニックのデッキから避難する乗客を見守りつつ、2人で最期を迎えたとされている。
イジドーは菓子メーカー「メイシーズ」の共同経営者であり、タイタニック号に乗った客の中でもっとも裕福な人物のひとりだった。ウェンディさんはこの夫妻のやしゃごにあたるという。