ザ・ビートルズ(1964年) Photo: Shutterstock
ザ・ビートルズが、現代の最新テクノロジーで復活する。
1960年代、世界中を熱狂の渦に巻き込んだロックバンド ザ・ビートルズ。メンバー全員がそろうことが不可能になったいま、再結成はのぞめないものの、「Let It Be」や「Help!」といった多くの楽曲が、いまなお愛され続けている。
そんな中、「BBC Radio 4」のポッドキャスト番組「Best of Today」に出演したメンバーの1人ポール・マッカートニーが、最新のAI技術を導入し、「ザ・ビートルズとしての最後の新曲」を制作していることを明かした。
番組内で、「ちょうど作業を終わらせたところなんだ。今年のうちにはリリースできるよ」と語ったポール・マッカートニーは、この楽曲が、故ジョン・レノンの音声を抽出したものだとし、「ジョン(・レノン)とぼくたちが、一緒に取り組んでいたデモ楽曲なんだ。AI技術を使って、ジョンの歌声をみごとに抽出できた。それから、いつものようにミックスしている。だから、ある程度余裕を持って作業できたね」と付け加えた。
ジョン・レノンは、1980年12月に40歳の若さで銃弾に倒れたザ・ビートルズのリードボーカル兼ギタリストだ。
ポールは、2021年に配信されたドキュメンタリー番組「ザ・ビートルズ:Get Back」の中で、監督のピーター・ジャクソンが、番組内でこの技術を用いていたと説明。
そのうえで、「ピーター・ジャクソンが使っていたこの技術を使えないかと思ったんだ。彼は、AIに指示をして、歌声と他の音を区別させていた。『これが歌声で、こっちがギターだ。ギターの音を消してくれ』ってね。AIはみごとにやってのけた。だから、『これは使える』って思えたんだよ」と、今回の新曲発表に至った経緯を明かしている。