さまざまなハラスメントが社会問題として話題になっている昨今ですが、自分が被害にあった時、だれに相談すればいいのか、どこからがハラスメントと呼ばれるのかがわからず頭を悩ませている方も多いようです。そんなお悩みに弁護士、齋藤健博さんがお答え。今回は、就業時間後の勉強会に悩まされているSEさんのお話。

Q. 就業時間後に開かれる勉強会…参加は任意のはずなのに断ると怒られます

最近就業時間後に、部署内で勉強会が開催されています。
参加自体は「任意」と言われているのですが、残業代もつかないということで参加を断ろうとしたところ、先輩に怒られてしまいました。

私の業界は資格をどんどんとっていくことでキャリアアップしていくシステムなのですが、自分で本を購入したりネットで調べて勉強をすることができるので、任意の勉強会に参加しないことで怒られることにあまり納得がいきません。

研修として残業代も出るのならもちろん参加するつもりですが、任意なのに強制参加させられるというのはいかがなものでしょうか? しかも勉強会というよりも雑談ばかり、正直自分で勉強した方が良いと思っています…。(ななか/SE/29歳)

A. 出席する義務はなし! まずは実績づくりから頑張って

ななかさんのように、SEをされていると、日々移り変わる技術を勉強しないといけないのは事実かもしれません。ただ、勉強は、強要されるものではないことも事実です。そもそも、就業時間後における部署内での勉強会に出席する義務はありません。

ご指摘のように、SE業界は個人の能力差に応じてキャリアアップしていくシステムを採用している以上、全体での勉強会は、あくまでも会社のために行われるものであって、個人のスキルアップを目的としているものではないでしょう。そう考えると、自分で本を購入したりネットで調べて勉強をすることのほうが、本質的ですから納得がいかなくて当然でしょう。

ひとつのアイディアとしては、ななかさんの置かれた状況で、勉強会に参加している方より好成績を収めている実績をつくることはいかがでしょうか。もちろん、そんなに簡単なことじゃないんだと、叱責の声が聞こえてきそうですが、ななかさんの今の状況であれば、それができるはずです。