出廷したときのヘンリー王子 Photo: James Veysey/Shutterstock出廷したときのヘンリー王子 Photo: James Veysey/Shutterstock

ヘンリー王子は、過去に「キス感染症」と報じられたことが、恥ずかしかったようだ。

ヘンリー王子は現在、ミラー紙などを発行するミラー・グループ・ニュースペーパーズ社を相手取り、盗聴など違法な手段を使って情報収集されたとして裁判を起こしている。

6月6日(火)、ロンドンの高等法院に出廷したヘンリー王子は、2002年に掲載された「王子がキス感染症にかかった」という記事について、「私に与えた影響は大きかった」とした上で、「自分の肉親以外の人間が、どうやって病気のことを知ったのかわかりません」と、新聞社側の情報収集の不当性を訴えた。

当時、名門男子校の学生だったヘンリー王子。「学校中のみんなが知っているようでした。だれも私に近づこうとせず、ちょっとした笑いものになっていました。みじめな気分でした」と振り返った彼は、国内中に病気が知れ渡ったことで、「果てしなくからかわれました」と付け加えた。

MGN社が報じた「キス感染症」は、正式には「伝染性単核球症」という名で、思春期から若い世代を中心にかかりやすいとされるウイルス性感染症のこと。発熱やリンパ節の腫れをはじめ、のどの痛みや長引くだるさなど、その症状は多岐にわたる。

おもに唾液(だえき)を介して感染することから、「キス感染症」と呼ばれるが、せきやくしゃみ、また間接的に接触してもうつる可能性があることから、一概にキスが原因とは断定できない。

2002年当時、記事のタイトルは「キス感染症」となっていた。ヘンリー王子は、この名称に「偏見がある」と指摘。正式名称があるにもかかわらず、同社があえて別名を使用し、センセーショナルに報じたことに対して、怒りをあらわにしたようだ。