宮崎駿 Photo: Studio Ghibli/Ntv/Dentsu/Toho/Kobal/Shutterstock宮崎駿(2008年) Photo: Studio Ghibli/Ntv/Dentsu/Toho/Kobal/Shutterstock

宮崎駿監督の最新作は、事前のプロモーションを一切行わない方針のようだ。

7月14日より公開されるスタジオジブリ最新作『君たちはどう生きるか』。2013年の映画『風立ちぬ』を最後に引退を宣言していた宮崎駿監督が前言を撤回し、10年ぶりにメガホンを取った作品とあって、日本のみならず世界中から注目が集まっている。

そんな『君たちはどう生きるか』について、スタジオジブリは、事前予告やCMといったプロモーションを一切行わないと発表した。

同作が、1938年に発売された吉野源三郎の同名小説にインスピレーションを受けた「壮大なファンタジー」であることは、すでに発表されている。

しかし、2022年に意味深なポスターが公開されたきり、ストーリーやキャラクター、キャストなどの詳細は一切明らかになっていない。

プロデューサーの鈴木敏夫氏はこの決断について、「スタジオジブリはこれまで、会社運営の一環として、自分たちが作った映画をたくさんの人に見に来てもらいたいと考えていました。そのためにいろいろ考えて、いろいろなことをしてきました。しかし今回は、その必要はないのではないかと考えたのです」と説明。「いままでと同じことを何度もやっていると、どうしても飽きてしまいます。だからこそ、何か違うことをしたかったのです」と付け加えている。

また、鈴木敏夫氏はジブリとハリウッドのマーケティング手法を比較。「『君たちはどう生きるか』と同時期に公開されるアメリカ映画が1つありますね。その予告編が3本制作されて、いま1本ずつ公開されている。3本すべて見れば、その映画で起こることが全部わかってしまうのです。このやり方を、映画ファンはどのようにとらえるでしょうか」と疑問をなげかけると、「予告編を全部見た結果、実際に映画館へ足を運ぶ必要はないと思う人もいるはずです。だからこそ、私は逆を行きたかったのです」と語った。