4月からの新生活に向けて着々と準備を進めている方も多いのではないでしょうか?いつも私たちの生活のそばにあるうつわを変えるだけで、忙しい毎日も少し潤います。今回は、肩肘はらず自分のお気に入りをじっくり探せる、そんな都内のうつわショップを厳選してご紹介!
「日常の中で感性に響くものを食卓から」フードスタイリストの店主が営む蔵前『deps.』
最初にご紹介するのは、蔵前にある『deps.』。木造建築の古さをあえて残してリノベーションした建物は、小窓からうつわが覗けるかわいらしい外観です。看板は出ていないので、隠れ家を見つけ出したようなワクワク感もあります。
フードスタイリストの小島めぐみさんが手がけるこのお店は、お料理とともに食卓を彩ってくれる個性豊かな作家さんたちの作品が並んでいます。手作りだからこそ感じられる温かみのある作品に思わずうっとり…。
2019年12月にオープンした新店『deps.』は「日常の中で感性に響くものを食卓から」というコンセプト。使いやすさはもちろん、料理映えするか、食卓に置きたいと思えるか、という視点でセレクトしているそうです。フランス語の「depuis(=から・期間をしめす前置詞)」から名付けられた『deps.』は、「以前から現在に⾄るまでずっと継続し、この先も続いていく」という意味が込められ、古くからある陶器や磁器への敬意が表されています。
新生活でおすすめなのはこちらのマグカップ。「Mano(マーノ)」という屋号で活動されている杉田真紀さんの作品。「Mano」はイタリア語で「手に包む」という意味なのだそう。その名の通り、持ってみると小ぶりで手に馴染みやすい!口当たりもよく、これで朝お茶を飲むだけでもリラックスした1日を迎えられそうです。
こちらは作家・梅本勇さんの作品。色彩豊かな釉薬の流れが美しい作品です。釉薬の色や流れが1点1点異なるところも魅力的。淡いピンク色など、テーブルから春を感じられる明るい色合いの作品もおすすめです。
春といえば、お花を日常に添えるのも楽しみのひとつ。こちらの一輪挿しは津村里佳さんの作品です。忙しくてお花のお手入れが難しい…という方にも、一輪でパッとお部屋を華やかにしてくれる花瓶はうれしいですよね。
こだわりを持った個人のお店が集まり、ものづくりの町として有名な蔵前。ぜひ蔵前に訪れた際には、自分の食卓をイメージしながら、『deps.』で新しいうつわとの出会いを楽しんでみてはいかがでしょうか?
■お店情報
- deps.
- 住所:〒111-0042 東京都台東区寿1丁目20-13
営業時間:11:00~17:00 - 定休日:不定休
- Instagram:@deps_tokyo
“ちょっといいモノ”を取り入れた生活の入り口に。『Found MUJI青山』
続いてご紹介するのが、皆さんご存知の無印良品が世界中で長く使い続けられている日用品を探し出し、それを紹介する『Found MUJI青山』です。2003年に『Found MUJI』のプロジェクトがスタートし、2011年に無印良品の青山店が『Found MUJ青山』にリニューアル。無印良品のマインドを継承し、日本各地や世界で見つけ出した “ちょっといいもの”がたくさん並んでいます。
1Fの企画展(2月取材時点)。陶器は土から生まれ、土に帰っていく様子を表現
青山通りに面する『Found MUJI青山』は2フロアで構成されています。1Fではテーマ毎の企画展、2Fでは『Found MUJI青山』の定番商品や過去の企画展での販売商品が一部アーカイブとして置かれています。世界各国の土地で長く使われている日用品を見つけ出し、無印良品が日本の現代の生活に合うよう少しアレンジをして販売しているものもあるのだとか。
その産地での使い方やストーリーをお客さんに知ってもらった上で購入してもらいたいという思いから、ネットでの販売は行っていないとのこと。無印良品の一部の店舗でも取り扱いはあるものの、すべてが揃っているのはここの『Found MUJI青山』のみとなります。
新生活におすすめなのが『Found MUJI青山』で出会える珍しい海外のうつわたち。色使いや形に各地の個性がありながらも、日本の食卓にも馴染む商品が並んでいます。
こちらはポルトガルのレストランなどで使われるピッチャー。ポルトガルではビールよりもワインを飲むことが多いため、食卓で使われることも。ボルトガルらしくかわいいデザインでありながら、形はシンプルなため自分なりに工夫して使ってみるのもおすすめです。
このユニークな形をしたうつわはなんとライスボール!ポルトガルのお茶碗です。ポルトガルでも、日本と同様お米をたくさん食べ、このライスボールが食卓の真ん中に置いてあるのが日常なんだそう。
こちらは『Café &Meal MUJI』でも使われている食器です。生活に必要なサイズが揃っているため、自分の生活スタイルに合わせて買い足せるのもうれしいですね。飴色を食卓に1枚加えてあげるだけで、温かみがプラスされるのでおすすめです。
他にも海外のみならず、日本のさまざまな産地の商品の取り扱いも。益子焼、砥部焼、萬古焼など、うつわを通じて日本の良さ、日本らしさを感じられます。窯元を知るきっかけにもなりますし、『Found MUJI 青山』で知った窯元へ旅行してみるなんて贅沢も!
商品を通して世界各地の文化に想いを馳せることのできる『Found MUJI 青山』。3月現在は、竹をテーマに企画展を開催し、中国とベトナムの竹製品を販売しています。
各地の手仕事から生まれた商品を手軽な値段で買えるため、手作りの温かみは感じられるけど敷居は高すぎない。そんな“ちょっといいモノ”を取り入れた生活の入り口としてベストなお店です。
「うつわも飾られるより、使われるほうがうれしいはず」。そんなスタッフさんたちの想いが詰まった『Found MUJI 青山』で世界や日本各地の文化に触れてみてはいかがでしょうか?
■お店情報
- Found MUJI 青山
- 住所:〒150-0001 東京都渋谷区神宮前5丁目50−6
- 営業時間:月~土:11:00~21:00、日・祝日:11:00~20:00
- 定休日:不定休
毎日に手仕事の温かみを。二子玉川『kohoro』
続いては、二子玉川にある『kohoro』。木工、ガラス、陶器など幅広い日本作家さんの作品を取り扱うお店です。手作りの温かみがありつつ、クセがなく飽きのこないセレクトが特徴。うつわ通からも評判が高いお店です。
「長く愛用できるもの、伝えていきたいもの」を軸に、日本の作品を中心に集めている『kohoro』。オープンから今年で15年を迎え、大阪の淀屋橋にはカフェが併設された店舗も。『kohoro』のオリジナル商品も販売されていて、うつわだけでなく風呂敷やバッグなど温かみのある生活に取り入れやすい商品が並んでいます。
新生活におすすめなのが、作家・山野邊考さんのマグカップ。ほっこりとした手触りで、見た目よりも軽く使いやすいのが特徴です。毎日使っていくうちに徐々に色が変わっていくのもおもしろいところ。お気に入りを選ぶのはもちろんですが、そういったうつわを育てるという感覚も愛着につながっていきます。中に入れる飲み物の色や使う頻度によって、変化の仕方も変わってくるのだとか。使えば使うだけ、自分のオリジナルなマグカップに成長していくのが楽しいですね。
「これからうつわを集めたい!」という方には木のお皿がおすすめ。朝ごはんをトーストだけでサッと済ませたいとき、陶器のお皿だと水が残っていて焼いたばかりのトーストがしっとりしてしまうなんてことも…。木のお皿は湿気を吸ってすぐに乾いてくれるので、長くカリカリで食べることができます。軽くて洗いやすいというのはもちろんですが、忙しい朝にとてもおすすめです。こちらは桜の木を使っていて、色も使うほど赤く変化していくのだそう。
こちらはガラス作家・奥平明子さんの作品。単体では無機質になりがちなガラスのうつわですが、黒いふちがアクセントとなり、食卓を引き締めてくれます。暖かい季節のイメージが強いガラスでも、これなら季節問わず取り入れやすくなっています。
『kohoro』では、お客さんと作家さんの橋渡しをすることを大切にしているため、商品を購入すると作家さんのお名前が書かれたカードをもらうことができます。「気に入って後から買い足したくなったときに、わからなくならないように」という心配りがとてもうれしいですね。ぜひ『kohoro』で新しい手仕事に触れてみてはいかがでしょうか?
■お店情報
- kohoro
- 住所:〒158-0094東京都世田谷区玉川3-12-11 1F
- 営業時間:11:00~19:00
定休日:水曜日 - Instagram:@irohani_kohoro
雨の日も晴れの日も心からくつろげる暮らしを。白金台『雨晴』
続いて紹介するのが白金台にある『雨晴』。日本各地の洗練された工芸品が集まるお店です。定期的に行われる作家さんの個展はもちろん、常設展示の作品も多く、いつ訪れても品揃えが豊富。主人の金子憲一さんが選ぶものは、和食器の中でも少しエッジが効いていて、食卓の雰囲気をガラッと変えてくれます。
2015年にオープンした『雨晴』は、「雨の日も晴れの日も心からくつろげる暮らし」をお客様、作り手と一緒に考えつくることを目指しているブランドです。自然との関わり方を象徴するものとして、雨と晴れをお店の名前として掲げているのだとか。現在では日本各地40件もの作家さんや職人さんの工芸品を販売していて、主人の金子さんにそのストーリーを聞きながら選ぶのがおすすめです。
常設の他に、1ヶ月に1回ほど作家さんの個展や季節に合わせた企画展も開催。ただ一方的にものを売るのではなく、実際にお客様が作家さんとコミュニケーションを取れるような形式をとっているのだとか。
例えば、作家さんがワイン好きだった場合、実際にソムリエの方に来てもらいグラスの飲み心地を体験したり、作家さんとの会話を楽しんだり。その作品を作った作家さんと一緒に暮らしを想像しながら選んだうつわにはとても愛着が湧きそうです。
新生活におすすめなのが、岐阜県の南窯さん、いわゆる職人さんが作るこちらのお茶碗。ご飯もきれいに盛れて、手作りの温かみがありながら軽く薄く作られています。
新生活に一押しだというのが、こちらのお箸。墨田区の大黒屋さんというお箸屋さんで作られたもの。四角、五角、七角、八角と様々な形状の箸をラインナップ。その中でも箸先まで7角形のものは、非常に繊細に作られています。人の指の数が奇数なので、面の数も奇数かつなるべく多い方が持ちやすいと言われており、挟んだときのフィット感が普通のお箸と全然違います!角が立っていることで、麺など滑りやすいものでもきれいに食べられるのだとか。箸は毎日使うものなので、こだわりを持って選ぶと今後のうつわ選びも楽しくなりそうです。
あとは、落ち着いた色合いのプレートも使いやすくおすすめなのだそう。同じ土岐市の作家・村上雄一さんの作品で、ひとり暮らしの朝食用のワンプレートとして使いやすいサイズ感。湖をイメージしていて、1枚でも鮮やかなブルーが食卓を彩ってくれます。
作家さん自身の作品を生活の中でどのように取り入れているのか、そんなストーリーを金子さんや作家さん本人から聞けるのが『雨晴』のうれしいポイント。ただ商品を購入するだけでなく、そういった暮らしのヒントを得ることのできるお店となっています。
■お店情報
- 雨晴/AMAHARE
- 住所:〒108-0071 東京都港区白金台 5-5-2
- 営業時間:11:00~19:00
- 定休日:水曜日
- Instagram:@amahare
1つのお店から世界のインテリアに触れる千駄ヶ谷『GENERAL FURNISHINGS & CO.』
おしゃれな洋食器が欲しい方におすすめなのが千駄ヶ谷の『GENERAL FURNISHINGS & CO.』。海外の陶芸家のセレクトやオリジナル、別注商品もモダンでかっこよく、かつ生活に馴染むカジュアルさが特徴です。控えめながら洗練された色使いが多いので、食卓のアクセントとして買い足すにもぴったり。
『GENERAL FURNISHINGS & CO.』のオリジナル商品と、仕入れた商品とに棚が分けられており、仕入れは日本のみならず北欧やイギリス、チェコ、韓国、アメリカなど世界各国の作家さんの作品が並んでいます。洗練された個性の光る作品が多く、シンプルなだけではつまらない!と感じる方にはぜひ訪れていただきたいです。
新生活におすすめのこちらは、デンマーク・Studio Arhojの作品です。海外のものでありながら、日本の食卓にも似合う素材感。シンプルな色が多い日本の作品とは違い、ライトグリーンなど珍しいカラーも多く、多色の中からお気に入りを選ぶのも楽しいですね。
こちらは韓国の作家・Kwon Jaewooさんの作品。先程のデンマークのものと同様、白などの定番色はもちろん、レッドやイエロー、グリーンなど多色なラインナップです。形や大きさも豊富なため、生活に合わせて買い足せるのもうれしいポイント。
他にもオリジナルの器やバスルームアイテム、植物なども取り扱っています。
他にはないものを扱うことを大切にしている『GENERAL FURNISHINGS & CO.』は、東京から世界各地の文化にも触れられるお店です。新しいテーブルコーディネートのヒントも得られそうですね。
■お店情報
- GENERAL FURNISHINGS & CO.
- 住所:151-0051 東京都渋谷区千駄ヶ谷1-8-10 外苑アビタシオン103
- 営業時間:12:00~22:00
- 定休日:不定休
- Instagram:@official_gfandco
企画展で一期一会な出会いを。西参道『Style-Hug Gallery』
最後にご紹介するのが西参道にある『Style-Hug Gallery』。他のお店とは異なり、展示会をベースにしたうつわショップです。美しいアンティークに整然と並べられたうつわたち。まるでパリのアパルトマンのような美しいディスプレイを眺めるだけでうっとりします。
店主の尾関倫衣さんが毎回の展示のテーマを決めて、作家さんがそのテーマに沿ってひとつひとつ作品を作っていくという展示会ベース。早いものは2年前から準備を進めているそう。展示会のテーマは季節や素材、または作家さんの作品の雰囲気から発想して決めていきます。その展示会のために作家さんが作品を作っていくため、『Style-Hug Gallery』でしか出会えない唯一のものを求めて多くのお客さんが訪れます。
展示会と展示会の間には、金継ぎ教室や作家さんのうつわを使ったお花教室、お茶の会など、ワークショップが開催されています。お茶の会は日本の歳時記と合わせて、節句の意味やその日に何を願い、どういうものを食べていたのか、そういった背景を紐解きながら、5~6種類のお茶とお茶菓子を合わせていただけるのだそう。日本ならではの季節の移ろいに想いを馳せながら、うつわと向き合える素敵な時間です。
「難しく考えずに、素直にかわいいなと思ったものを手に取って欲しい」と尾関さん。自分がどんな生活を送っているのかさえ店員さんにシェアすれば、使いやすいサイズなどは提案してもらえる。なので、自分の好きやかわいいと思う気持ちに従うのが一番いいうつわの楽しみ方なんだそう。美術品のように飾るものは扱わず、手の温もりや口当たりのよさ、持ったときの心地よい重さ軽さ…。その作家さんのこだわりが詰まった作品にぜひ『Style-Hug Gallery』で触れてみてください。
■お店情報
- Style-Hug Gallery
- 住所:〒151-0053東京都渋谷区代々木4-28-7 西参道テラスS1
- 営業時間:11:00~18:00
定休日:不定休 ※HPをご確認ください。 - Instagram:@stylehuggallery
個性はありつつも、長く愛用できるもの、後世に残していきたいものを大切にし、生活のヒントをくれるお店をご紹介しました。新しいことだらけで気持ちも焦りがちな新生活ですが、そんな時こそ生活の中にあるうつわに焦点を当てて、自分なりのちょっとした楽しみを見つけてみてはいかがでしょうか?
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